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【パリコレ】イッセイ ミヤケがファッションにテクノロジーの種を撒く

SENSORS 10/3(月) 13:53配信

パリのセーヌ川沿いのスタジオで開催されたイッセイ ミヤケの2017年春夏コレクション。常に新しい素材を服づくりに取り入れるデザイナー宮前義之が今回素材に選んだのはソニーの電子ペーパー。
「EB」(Electronic Bag)と称する電子ペーパーを活用したバッグとショーの全貌、そして宮前氏の服づくりに対する思いをパリコレ写真と共にお届けする。

右脳思考”と”左脳思考”の融合「テクニカルアーティスト」の仕事

2016年9月30日、パリで開催されたイッセイ ミヤケ2017年春夏コレクションのテーマは「microcosm(ミクロコズム)」。ショー会場で配られた紹介文には

“種が爆ぜ、木が生え、花が咲き、もたらされたふくよかな実りのように。
脈打つ彩り。プリミティブな力強さ、テクノロジーとの邂逅。
美のミクロコズム。絶え間ないDNA。繰り返されるビッグバン。“

とある。招待状にも種の写真がいくつも並んでおり、その意図する所は何であるのか?とても興味を持ってショーに臨んだ。

それは、種から木が生え花が咲き実がなる様子を、点(種)と線(木)そして面(花や実)を使った幾何学模様と、モデルの動きにより波打つ衣服の有機的な優しさが融合されたショーであった。
はじめてイッセイ ミヤケのショーを目の当たりにし、服が持つ表情の豊かさに感動の涙が流れるほどであった。
その感動の種はどこにあるのか?今回は電子ペーパーの活用も大きかったと考える。 モデルが着ることにより弾み・服を着る楽しさを伝えるイッセイ ミヤケの服に、電子的なクールさがアクセントとなる電子ペーパーバッグが馴染んでおりテクノロジーが服づくりに浸透していくこれからの未来を感じさせた。

イッセイ ミヤケの2017年春夏コレクションで発表された電子ペーパーバッグ“EB“(Electronic Bag)はモデルの動きにより表情が変化する。


イッセイ ミヤケの2017年春夏コレクションで発表された電子ペーパーバッグ“EB“(Electronic Bag)はソニーと素材開発されたバッグである。

イッセイ ミヤケは常に素材にこだわり、いままでも紙やプラスティック、ラタンなどを扱う服づくりを行っている。服づくりへの飽くなき挑戦を続けるイッセイ ミヤケ、デザイナー宮前義之氏が今回選んだ素材はソニーの電子ペーパーだ。モデルの動きにあわせて電子ペーパーが表情を変える「EB」(Electronic Bag)がパリコレ会場に登場したことはテクノロジーが服の世界に浸透していく本当のスタートラインに立ったと言えるだろう。

ショー終了直後の宮前氏にコメントを求め、以下のようなメッセージをSENSORS向けにもらった。

宮前: 今回のテーマ「ミクロコズム」に込めた思いとしては、種から木が、そして花や実がなるように、服づくりにおいても丁寧に種を探し、育て、花を咲かせ実をならせることが大事だと思っています。 パリコレ発表で花を咲かせるために、今回選んだ種は沢山あるのですがそのなかのひとつがソニーの電子ペーパーでした。 もちろんここで咲かせた花は実となってお客様に届けるところまで責任を持ってまいります。

現在はみんなとても忙しく過ごしています。そうなると服だけではなく、食べ物も「なんでもいい」と諦めてしまうシーンも多くなっていると思っています。 ものづくりをする人間としては、それではいけないと考えており、ちゃんと畑に種を撒いて、それを丁寧に育て、収穫できるまで責任を持つ必要があると思っております。 わたしはそれを服づくりで行ない、人々に服を着ることが楽しいと感じていただけることを大切にしています。
いままでもテクノロジー×ファッションの取り組みは沢山あったが、今回イッセイ ミヤケがソニーのFashion Entertainmentsチームの電子ペーパーを活用したバッグを発表したことは“テクノロジー×ファッション“の真のはじまりと言えるだろう。 そして、宮前氏がショー直後に語ったように、丁寧に育てられた服は美味しいものを食べるのと同様の、否、それ以上の喜びを与えてくれる。 服を機能だけで選ぶのではなく、自分と周囲をハッピーにさせてくれるかどうかも大事である。このことをイッセイ ミヤケのショーから学んだ。 そして、電子ペーパーバッグ“EB“はバッグ自身が表情を変えるので自分も周囲も楽しくなるだろう。服とのコミュニケーションはテクノロジーが加速させてくれるのかもしれない。

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ライター:西村真里子
SENSORS.jp 編集長
国際基督教大学(ICU)卒。エンジニアとしてキャリアをスタートし、その後外資系企業のフィールドマーケティングマネージャー、デジタルクリエイティブ会社のプロデューサーを経て2014年株式会社HEART CATCH設立。 テクノロジー×デザイン×マーケティングを強みにプロデュース業や編集、ベンチャー向けのメンターを行う。Mistletoe株式会社フェロー。

最終更新:10/3(月) 13:53

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