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<話題>外国人投資家、16年は約6兆円の売り越し―日銀とGPIFが穴埋め

モーニングスター 10/3(月) 13:30配信

 外国人投資家の日本売りが止まらない。東証の発表する2市場(東証および名証)1、2部の主体別売買動向によると1月第1週から9月第3週まで現物株を実に5兆9982億円売り越した。1月第1週から3月第5週までは、なんと全週売り越し。3月第5週の時点ですでに約5兆円売り越した。その後は一服したが8月以降は再度売り圧力を強めており、日本株の重しとなっている。

 今年、外国人が日本株を売っていた理由は何か。いくつか考えられるが、停滞感の見える日本株に見切りをつけ、手じまい売りに走っている可能性は高い。そもそも外国人は自民党が政権に復活する可能性が高まった12年秋以降に日本株を大きく買い越し、特に13年は15兆円買い越した。

<12年以降の外国人売買動向>
 12年=2兆8265億円の買い越し
 13年=15兆1267億円の買い越し
 14年=8527億円の買い越し
 15年=2510億円の売り越し
 16年=5兆9982億円の売り越し(9月第3週時点)

 昨年は外国人が大きく売り越したような印象はあるかもしれないが、実際は2500億円程度の売り越しにすぎない。12年以降だけで見ると、依然として12兆円超の買い越しとなる。現在の日経平均株価は当時の水準をまだ上回っており、外国人側からすると日本株に伸び代がないなら利益確定売りに出てようとしても不思議はない。

 ただ、日本株の売買の6割以上を占める外国人が売りを続けるにもかかわらず、今年の日本株は極端に下げていない。外国人の売りを埋め日本株を支えているのは誰か。これが市場でたびたび話題となる、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)と日銀だ。

 まず、公的年金の動きを示すとされる信託銀行は1月第1週から9月第3週まで3兆6465億円買い越している。かなりの買い支えではあるが、これだけでは外国人の売り分を埋められない。この分を埋めているのが日銀のETF(上場投資信託)買いになる。日銀は16年、指数連動型ETF(設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF含む)を9月30日時点で3兆1505億円買い入れた。公的年金の買い越し額と合計すれば外国人の売り越し分を埋めていることが分かる。

 特に日銀は7月の金融政策決定会合でETFの買い入れ額を年間6兆円とほぼ倍増させ、8月から実際に日々の買い入れ額を増やした。ある外資系証券トレーダーは、「日銀がETFを月5000億円買い続けるというのは、やはりインパクトがある。安心感というか、株価が下がりにくくなったのは間違いない。さらに大きく下げればGPIF買いも控えており、為替に比べて下がりづらい需給になっている」と話す。この両者の存在が市場を支えているのは疑いようがなく、外国人が売りを強めても吸収していきそうだ。

 もちろん、年金資金はともかく中央銀行が株を買うのはおかしいとの声は根強い。もっとも、この点は「投資家がそれを批判しても仕方ないので、利用してもうける方法を見つけていかないといけない」(同)というのが現実だろう。

(モーニングスター 9月30日配信記事)

最終更新:10/3(月) 13:30

モーニングスター