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台風禍 今も 缶詰工場 被災で廃棄 北海道のトウモロコシ

日本農業新聞 10/3(月) 7:00配信

2000ヘクタール分 荷受け停止

 台風10号による浸水被害により、北海道の缶詰メーカー「日本罐詰(かんづめ)」十勝工場(芽室町)が操業を停止した影響で、十勝地方などの農家がコーン缶詰の原料となるトウモロコシを出荷できず、畑に廃棄する事態に陥っている。同工場は、国産原料のコーン缶詰で全国シェア75%を占める最大手。工場再開のめどが立たないままで、農家の打撃は作付面積で2000ヘクタールにも及ぶ。国産原料のコーン缶詰が店頭で逼迫(ひっぱく)する恐れも出てきた。

 浦幌町の41ヘクタールで小麦やテンサイ、豆類を栽培する岡田雅裕さん(37)は、同社と契約栽培していたトウモロコシ3ヘクタール分を全てチョッパーで粉砕した。「一本も収穫できないままつぶす作業は、つらい」と畑を見つめる。

 トウモロコシは農業共済の対象だが、農水省は「自然災害による倒伏や減収は共済の対象だが、圃場(ほじょう)で被害を受けず、工場の被災だけを理由にして収穫できなかったコーンは対象外」(保険監理官)と説明する。十勝農業共済組合によると、どれだけの農家が共済の対象外になるか分からないという。

 同社によると、缶詰用トウモロコシの契約農家は800戸(2500ヘクタール)で、支払額は年間約10億円に上る。8、9月に収穫し、キユーピーの「アヲハタ」ブランドの缶詰として全国に出荷する。今年は荷受けが始まったばかりの8月30日夜、台風10号の豪雨で工場の裏側にある芽室川が決壊し、工場内に60センチの汚泥が堆積。人力で泥の掃き出しが続いている。

 農家への補償問題など課題が山積し、復旧に数十億円が必要となる見通しだが、工場は農業用施設ではないため、国の補助金を受けるのは難しいとみられる。

 事態を受け、キユーピーは14品目の農産加工品の販売休止を発表。市場に出回るコーン缶詰の8割が海外産を原料とし、このままでは国産原料のコーン缶詰が手に入りにくくなる可能性もある。(尾原浩子)

日本農業新聞

最終更新:10/3(月) 7:00

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