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【ハリルジャパンへの提言 2】必要なのはミスを許さない環境 “我と我”の熱がチームを進化させる

theWORLD(ザ・ワールド) 10/3(月) 14:09配信

ピッチ上での厳しい要求がチームに緊張と自信を生む

 現代表の中心選手の多くは、2010年南アフリカ大会をきっかけに欧州へ渡り、飛躍した選手たちだ。長きにわたり欧州リーグでプレイしてきた彼らのキャリアは日本の財産だが、そのすべてが、日本代表に還元できているかと言えば、物足りなさを感じてしまう。

 それは、技術、身体能力、戦術眼といったものではない。外国人選手とともに熾烈な競争を戦う毎日のなかで、彼らがその肌で体感しているはずのコミュニケーション能力だ。「僕は相当負けず嫌いだと思っていたけれど、ドイツにはそれを越えるヤツラがいた」とドイツへ移籍したばかりの長谷部誠が語っていた。

 社会性や育った環境の違う外国人選手が集う欧州クラブでは、ピッチ上での選手同士の口論は日常茶飯事だ。誰もが「もっとこうしてくれ」「なぜそこでその選択なのか?」と自分の要求を周囲に伝える。その様子は自己中心的な姿かもしれないけれど、言われたほうも黙って聞くことはない。「俺はこう思う」と言い返し、決して同意をし合えないとしても、「アピールしなければ、わかってもらえない」という現実がそこにはある。

「言わずともわかってくれる」という日本人の美徳ももちろん重要だが、たとえば黄金時代のジュビロ磐田や浦和レッズでは、ピッチ上で厳しい要求の声が飛び交っていた。

「ミスは起きたその直後に指摘しなければ、修正できない」と言ったのはドゥンガだ。彼は本当によく怒っていた。そして、チームメイトに要求するだけの仕事をしていた。周囲に要求すればするほど、自分が担う責任が大きくなることも自覚している。そういうドゥンガの姿勢は、日本人選手にも受け継がれ、ミスを許さない強豪チームが生まれた。選手間で厳しい要求をし合える空気は、チームに緊張感と自信を育む。

 現代表の戦術練習の多くが非公開で行われているので、その様子はうかがいしれないが、試合中に代表選手たちが怒鳴り合うシーンはほとんど記憶にない。

 長すぎるパスを出したあと、「ゴメン」というように手を上げる。もしくは「良かった」と手を叩く。しかし、パスが通らなかったのはひとつのミスでもある。敗戦後にDFの選手が「前線でのボールの失い方が悪い」と嘆きたくなる気持ちもわかるけれど、不用意なボールロストからカウンター攻撃を受けるというのは、その試合に限った特別なことではない。記者を前に嘆くよりも、そんな悪癖が改善する手立てを模索するべきだ。

 セカンドボールの奪い合い、1対1での局面の強さ。それらもまた欧州では、激しく厳しく選手に求められるプレイだ。そんな環境でプレイしているのだから、その重要性はわかっているだろう。

 ミスを許さない環境作りを選手主導でもっと進めることはできるはずだ。

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最終更新:10/3(月) 14:09

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