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浜住魚津市議の当選無効 居住実態ないと県選管裁決

北日本新聞 10/3(月) 12:44配信

 県選挙管理委員会(野尻昭一委員長)は3日、4月の魚津市議選で初当選した浜住博之氏(60)=諏訪町=について、公選法で定める3カ月間の居住実態が認められず被選挙権がないとして、当選を無効とする裁決を発表した。記録がある1994年以降、県選管が県内で首長と自治体議員の当選を無効としたケースはない。

 裁決に不服がある場合、30日以内に名古屋高裁に提訴できる。提訴がなく当選無効が確定すれば、次点だった候補が繰り上げ当選する。浜住氏は市役所で記者会見し、「魚津で寝泊まりしながら出勤しており、住所地だと思っている。県選管と認識が違い、驚いている」と述べ、提訴するかどうかは支援者と相談して決めるとした。

 浜住氏はことし1月5日に滑川市から魚津市の実家へ転入し、4月17日投票の魚津市議選で当選した。しかし、居住期間や生活実態の要件を満たしていなかったとして、同選挙で当選した松倉勇市議(66)=吉島=が5月に市選管に異議を申し出て、棄却された。6月に県選管に審査を申し立てていた。

 裁決書によると、県選管は、2月下旬まで上水道の栓が閉まり、ガスも使用できない状態で、人が日常的に生活を営む上で必要最低限の基盤を整えていなかったと指摘し、電気の使用量が極めて少なかったことも「日常的に使用する者が存在しなかったことを強く推測させる」とした。

 また、浜住氏が1月5日から2月末までの間に滑川市の家に11泊したことも踏まえ、実際に魚津市に住んだと言えるのは2月下旬以降であり、それまで住所は滑川にあったと考えるべきだとした。

 県選管は2002年の入善町長選で選挙そのものの無効を裁決している。


■浜住氏 「湧き水でトイレ対応」 県選管「証拠ない」「不自然」
 浜住博之氏の当選を無効とした県選管裁決は、寝泊まりだけでは日常生活の拠点と認めず、明確に「生活の本拠」だという証明を求めた。

 浜住氏は、1月5日に転入後、トイレは300メートル離れた勤務先で済ませ、自宅で急に使いたくなった時は、近くにある湧き水をポリタンクにくみ置きして便器に注いで使っていたと主張。照明は電力使用の少ない発光ダイオード(LED)を寝室だけで使用していたとした。

 こうした主張に対し、県選管は転入前の住所だった滑川の家の水道や電気の使用状況とも比較しながら一つ一つ検証した。

 水道に関しては、「湧き水をくんでいた証拠はない」「用便ごとにポリタンクの水で流す労力を考えると不自然」と主張を退けた。

 洗濯は家族が滑川の家でしていたとの主張についても、むしろ魚津での日常生活の維持が困難だった要素と解釈した。

 電気に関しても、3月4日までの電気使用量が極端に少なかったことから、寝室以外に他の電化製品や照明を使用する必要がなかったとの説明は「極めて不自然」とし、そうした生活を裏付ける客観的な証拠が提出されなかったとした。

北日本新聞社

最終更新:10/3(月) 12:44

北日本新聞