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社説[東京五輪空手誘致]機運醸成に何が必要か

沖縄タイムス 10/3(月) 7:20配信

 空手が2020年の東京五輪の追加種目として正式決定してから約2カ月。県は行政や経済界、空手界などを巻き込んだ21団体で「誘致実行委員会」(会長・翁長雄志知事)を結成し、空手競技の中で、演武の出来栄えを競う「形」種目を沖縄で開催するよう、東京五輪の関係機関に働き掛けている。

 全日本空手道連盟の空手道憲章に「沖縄においてわが国独自の徒手空拳の武術として発展し」などとうたわれているように、空手の発祥地は沖縄である。

 世界トップの空手家らが沖縄に集い、力と技を競う。沖縄の将来を担う子どもたちに何にも代え難い刺激を与えるはずである。沖縄から世界に発信され、沖縄への誇りが一層高まることは間違いない。考えるだけでわくわくする。

 空手には1対1で対戦する「組手」と形がある。

 2年に1度開催される空手界最高峰の大会である世界選手権男子個人形で2014年に喜友名諒選手(26)が優勝、師匠の佐久本嗣男氏(68)は同大会3連覇を達成するなど、沖縄は世界トップの選手を輩出している。

 現時点で空手の競技会場は日本武道館(東京)が想定されており、12月の国際オリンピック委員会(IOC)理事会で正式に決まる。誘致活動の時間は限られている。

 全国知事会も追加5競技18種目は震災被災地や地方での開催を求めている。実行委は全国知事会と連携を強め、誘致に力を注いでほしい。

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 何より求められるのは、県民が誘致の機運を盛り上げることである。これからタイミングよくイベントが続く。

 10月1、2の両日、国際大会「空手1プレミアリーグ沖縄大会」が県立武道館で開かれ、男子個人形で喜友名選手が沖縄大会3連覇。男子団体形でも喜友名選手ら県出身3人で固めた日本代表チームが3連覇を成し遂げた。

 10月25日は県議会が05年に制定した「空手の日」である。第6回世界のウチナーンチュ大会の関連行事としてこの日に合わせ、海外空手家らも参加して「ウチナーンチュ大会空手・古武道交流演武祭」が開催される。

 これに先立つ23日には、那覇市・国際通りで空手の日を記念した「演武祭」を開く。約3千人が国際通りを埋め尽くし、集団演武によるギネス新記録の樹立を狙う。

 これらを県民が盛り上げ、誘致の後押しにつなげることができるかが重要である。

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 気になるのは、会場は県立武道館で十分か、選手や関係者の選手村をつくるのか、ホテルを利用するのか、ボランティアの通訳をどう確保するか、コスト負担はどうするか-などさまざまな課題が浮かび上がることだ。誘致には県民理解が必要で、実行委はこれらの課題をクリアできることを早急に示してほしい。

 実行委は沖縄を聖火リレーの出発地にする、開会式に沖縄伝統空手・古武道やエイサー、琉球舞踊を加える、各競技の事前合宿誘致に協力する-ことなども要請している。東京五輪に沖縄文化の薫りを吹き込みたいものである。

最終更新:10/3(月) 7:20

沖縄タイムス

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