ここから本文です

触れるだけでつながる、パナソニックが人体通信を展示

EE Times Japan 10/4(火) 18:50配信

 パナソニックは2016年10月3日、「CEATEC JAPAN 2016」(2016年10月4~7日/幕張メッセ)のメディア向け先行公開で、同社の最新技術に関する展示を行った。出展コンセプトは「Unique Interface/Unique Experience」となっており、体感・体験型の展示を通じ、顧客の課題に直結するソリューションを提案するとしている。

【曲がるリチウムイオン電池なども展示】

 本記事では、触れるだけで簡単につながることができる「人体通信応用デバイス」と、配線パターンの細線化を実現した「銅メッシュタッチセンサー」、繰り返しの曲げやねじりに耐える「フレキシブルリチウムイオン電池」を紹介する。

■人体通信応用デバイス

 同社が展示した人体通信応用デバイスは、「ヒト×モノ」「ヒト×ヒト」が“簡単にさりげなく”つながるインタフェースとする。具体的には、人体近くに電界を発生させ、その電界を変調することで通信を行う技術となっている。

 触れたモノだけと通信できる電界分布になるようなキャリア周波数と最適な変調方式、混信を防ぐ独自の通信プロトコルと汎用的なエラー訂正方式を組み合わせることで、高セキュリティ化を実現。ID情報を渡すことに特化した独自プロトコルとなっており、アプリケーションごとに最適なパワー管理を回路ブロックごとに行うことにより、低消費電力化にも貢献するという。現在、1日10回の使用で、電池の寿命は5年以上持つ。

 使用周波数は15MHzまでとなっており、データレートは最大10Kビット/秒。アプリケーションとしては、人体通信用のタグを所持している人同士が握手をすると名刺情報を交換できたり、会社内のドアノブを触るとID情報が認証され、ドアの開閉ができたりといった用途が考えられるとしている。実用化の時期は、2018年度の予定だ。

 同社システム技術部のシステム技術一課で主任技師を務める花嶋正人氏は、実用化までの課題について、「電界を利用した通信は、無線と同様に障害物があると通信の安定性に支障が出てしまう。こうした技術的な課題を2018年度までに改善していく。人体通信は、約10年前にも技術としてはあったが、なかなか普及しなかった。しかし、IoT時代では、ヒトとモノを簡単につなぐインタフェースが必要になると考えている」と語る。

■銅メッシュタッチセンサー

 展示では、静電容量式タッチセンサーも紹介されていた。同センサーは、独自の銅微細配線技術により、4μmから2μmと配線パターンの細線化を実現。配線パターンや干渉縞が見えることなく、タッチパネルの視認性向上に貢献する。従来のITO透明電極では対応困難な、フレキシブル、大型化などに対応できるという。

 用途としては、ウェアラブル端末や車載用タッチパネル、IoT家電などを想定する。実用化の時期は、2017年度の予定だ。同社メカトロニクス事業部R&Dセンターの要素技術部で課長を務める藤原嘉宏氏は、「詳しくは答えられないが、社内の既に存在する技術とのクロスイノベーションによって、配線パターンの細線化を実現した」と語った。

■フレキシブルリチウムイオン電池

 また、同社が2016年9月に発表したフレキシブルリチウムイオン電池も展示している。通常の電池は、曲げると外装材や中身の構成が破損し、電池としての機能が失われる可能性がある。フレキシブルリチウムイオン電池は、曲げ半径R25mm、ねじり角25°となっており、繰り返し曲げたり、ねじったりしても性能が維持できるという。

 カード向けJIS規格(半径約R40mm/ねじり角15°)以上の曲げ、ねじり耐性を有しており、電池駆動のカード型デバイスやスマートウェアなどの用途が検討されている。同社ウェアラブルエナジー事業部の技術第一課で主任技師を務める植田智博氏は、「柔軟性の高い材料と独自の積層電極構造を採用したことで、今回開発に成功できた」と語る。

 同社のリリースによると、曲げ半径R25mmで1000回の曲げ試験、ねじり角25°で1000回のねじり試験実施後も、初期容量比99%以上の維持率を実現したとする。

 最も小型な「CG-062939」のサイズは28.5×39.0mm、質量約0.7g、厚さは0.55mmである。公称容量は17.5mAh。2016年10月下旬からサンプル出荷を開始する予定だ。

 なお、同社の展示では、小型発電技術と無線技術を組み合わせた「電池レス無線スイッチ」や、スタビライザーに活用できる「3Dアクチュエーター」なども展示されている。

最終更新:10/4(火) 18:50

EE Times Japan