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乾電池を捨てた“ポメラ”が代わりに獲得したもの――新モデル「DM200」を見てきた

ITmedia LifeStyle 10/4(火) 23:41配信

 キングジムは10月4日、テキスト入力に特化した携帯ツール「ポメラ」の新製品として「DM200」を発表した。PC版のATOKに匹敵するという日本語変換エンジン「ATOK for pomera [Professional]」を搭載するなど「テキスト入力のしやすさを徹底的に追求したモデル」(同社)だ。価格は4万9800円(税別)で、10月21日に発売する。

キーボードのアップ

 DM200は、従来機「DM100」のデザインコンセプトを踏襲しつつ中身を一新したモデルだ。本体サイズは、約263(幅)×120(奥行き)×18(高さ)mm、重量は約580g。本体カラーはマットなブラックになっている。

 ディスプレイは7インチワイドTFT液晶と面積を約40%拡大し(1024×600ピクセル)、表示するフォントもこれまでのビットマップフォントからモリサワのアウトラインフォントに変更。サイズを変えても滑らかに表示できるなど、視認性を大きく向上させた。

 ディスプレイの表面処理は、コントラスト性能を重視したグレアタイプ(光沢処理)。ただし、映り込みを避けたい人のためにオプションとして専用保護フィルム「DMP7」(税別1800円)を用意した。DMP7には光沢タイプと低反射タイプの保護フィルムが両方入っており、ユーザーが好みで選択できる。「最初から低反射タイプにすると後付けでグレアタイプにすることは難しいが、グレアタイプならフィルムで低反射に変更できる」(同社)という判断だ。

 肝心のキーボードは、キーピッチが横17mm、縦15.5mm。キートップの下にV字ギアリンク構造を設け、キーのどこを押してもキートップが斜めにならない、安定した打ち心地を実現した。キーストロークも1.5mmを確保。ディスプレイは最大160°まで開くため、膝の上で入力する場合にも画面が見やすいという。

 キーボードはJIS配列で、ショートカットの割り当ても柔軟になった。Fnキー、Shift+Fn、Alt+Fn、Ctrl+Fnのキーに任意の機能を割り当てることができるため、ユーザーが任意にカスタマイズすることができる。このほかにも同時打鍵の判定時間を設定できたり、「親指シフト」にも対応するなど、ことキー操作に関しては非常に細かい設定を用意している。

●リチウムイオンバッテリーを採用した理由

 DM200の新機能の1つに、ポメラシリーズとして初めてリチウムイオンバッテリーを搭載したことが挙げられる。連続駆動時間は最長約18時間となり、本体側面のmicroUSBポートにモバイルバッテリーを接続すれば外出先でも充電が行える(5V、1.2A以上の出力が必要)。

 ポメラの特徴でもあった乾電池駆動をやめた理由についてキングジム商品開発部の東山慎司氏は、「乾電池はどこでも手に入るメリットはあるが、ランニングコストがかかる。最近はスマートフォンの普及でモバイルバッテリーを持ち歩く人も増えており、充電機能の利便性は高い。駆動時間に対する安心を確保しつつ、ランニングコストを抑えられる」と説明する。

 また同時に、処理能力とのバランスをとることも目的の1つだったようだ。「今回は、『ATOKを強化したい』という思いが強かった。乾電池駆動では満足のいく駆動時間にはならない」。テキスト入力に特化したポメラは、テキスト入力をより快適にするためにバッテリーの採用に踏み切った。

 その日本語入力システム「ATOK for pomera [Professional]」は、語彙数が従来の約3倍に増えたほか、入力支援機能も拡充。例えば同音異義語が多い言葉も文脈から正しく選択したり、繰り返してしまいがちな打鍵ミスでも一度修正すると次回からは正しく変換するなど賢くなっている。PC版との主な違いは、推測変換や校正支援といった機能を持っていないこと。PC/Mac版のATOKで登録した単語をポメラにインポートすることは可能で、自動学習した単語を含めて約2万語を追加できる。

 このほか文書作成機能では、10階層のツリー構造に対応したアウトライン機能も新搭載。長文作成に便利だという。なお、文書ファイル1つあたりの文字数は最大5万字で、本体メモリやSDカードにフォルダを作成して保存することができる。本体メモリの容量は128MBだが、SDカードスロットは最大32GBのSDHCまで対応した。

●無線LANにQRコード、データ連携の方法も多彩に

 もう1つの“ポメラシリーズ初”が、無線LANの内蔵だ。これにより、Evernoteなどのクラウドサービスに直接ファイルをアップロードできるほか、メールで文書を送信したり、ネットワークプリンターから直接プリントアウトするといったことも可能になる。同社によると、HPとエプソンのプリンターについては動作確認済みだという。

 また、新たにiPhoneやiPad、Macに標準搭載されているメモアプリと同期し、双方向で文章を編集できる「ポメラSync」機能を新開発。Gmailのサーバにフォルダと文書ファイルを作成し、双方の端末からアクセスする仕組み。なお、無線LANはアップロードやポメラSync機能を使用する時のみオンになり、バッテリー消費を抑えるという。

 テキストファイルをQRコードに変換してスマートフォンなどで読み込めるようにした「pomera QR code reader」の機能もアップデート。文書の最大文字数と同じ5万字まで対応した。ただし、1つのQRコードに記録できる文字数は4800字と規格で決まっているため、5万字の文書をスマホに取り込むためには16回、同じ作業を行う必要がある。

 2008年に初代機を発売したポメラは、コンパクトで携帯性に優れた文章作成ツールとして人気を集め、累計販売台数は30万台を超えた。当初はビジネスマンの需要が高いと見込まれていたが、ふたを開けてみるとユーザーの半数が女性で、また仕事以外で使われるケースも多いという。「手軽に使えるテキスト入力専用機の需要は衰えていなかった。新しいDM200の投入により、新たなユーザー層を獲得したい」(同社)

最終更新:10/4(火) 23:41

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