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俳優生活10周年・佐藤健、本気で俳優業に向き合う“カッコ悪い”理由

オリコン 10/11(火) 8:40配信

 ちょうど1年前、映画『バクマン。』の取材のとき、「自分の顔に飽きた」という悩み(!?)を告白していた佐藤健。新作主演映画『何者』での佐藤扮する冷静分析男子・拓人の佇まいに“俳優って顔どころか別人になれるんだ!”と驚いた。そして改めて、佐藤には主演がよく似合う、とも。“この人にしかできない”という固有の魅力で、強い存在感を放った新作映画について、また俳優生活10周年を迎えたいまの心境も聞いた。見栄、意地……本気で俳優業に向き合う“カッコ悪い”理由とは?

【写真】笑顔もみせながら10年を振り返るインタビューカット

◆自分のなかから出てきたことだけでやっても、自分にしかならない

――冒頭のモノローグから、これまでとは全く違う印象に驚きました。
【佐藤健】 「びっくりした」って言われるのは嬉しいし、そういうことを目指してやっていました(笑)。

――本作の主人公・拓人のルックスは、どのように作っていかれたのですか?
【佐藤健】 自分がどう演じるか? をイメージしながら脚本を読むんですけど、今回は最初から最後まで、ずっと迷っていたし、悩んでいました。プロデューサーにも「拓人をどう演じたらいいかわからない。ヤバい」ということを話していましたね。

――これもまた意外な話です。どうやって突破口を見つけたのですか?
【佐藤健】 やっぱり演じるうえでは、別人になりたいじゃないですか。何となく演じると、どうしても佐藤健が演じていることにしかならない。自分のなかから出てきたことだけでやっても、自分にしかならないんです。そういうとき、何かコピーするものがあると、お芝居がしやすい。今回は、原作者の朝井リョウをコピーしようと決めました(笑)。

――2日間稽古を積んでから、撮影に臨まれたそうですね?
【佐藤健】 もともと映画を撮るとき“クランクインでいきなり芝居なんかできるわけねぇじゃねーか!”と思う派なので(笑)。今回、この作品をやりたいと思った理由のひとつに、イン前にリハーサルをちゃんとやることがありました。同年代の魅力的な俳優さんたちとそういう作業ができることに心惹かれて。このメンバーで、ちょっとずつ、ちょっとずつ作っていく作業がすごく楽しかったです。

◆何が正解かわからないから、いろいろなパターンをやって全部出し切れた

――人生の傍観者だった拓人が、就活仲間と互いに切磋琢磨するなか、当事者になっていく青春ドラマで、拓人から感情があふれ出す瞬間に胸を衝かれました。とくに印象に残っているシーンはありますか?
【佐藤健】 後半の面接のシーンは、いちばん時間がかかったこともあって、印象に残っています。台本を読んだときも、果たしてこのままでいいのか? といちばん思ったシーンでした。拓人のセリフが本当にこれでいいのだろうか? とずっと考えていました。撮影の1週間くらい前から前日まで、ずっと監督と相談してやりとりするなかで、台本以上に膨らませてセリフを作って。かなり議論というか話し合って、撮影当日を迎えたんですが、実際現場に入って、やってみて、また監督と話して。結局、面接の終わらせ方も含め、何パターンか別のお芝居も撮ったんです。完成作を観たとき、あぁ、監督はこれを選択したんだって。“ほぅ!”っていちばん思ったところもそこでしたね。

――どう受けとめたのですか?
【佐藤健】 観終わったときの、観終わり感に直接つながる映画のラストシーンなので、もうちょっとすっきりできる終わり方の方がいいんじゃないか? ということを考えていたんですけど、僕が映画を観た感想としては、結果的に監督はもやっとした方向を判断されたんだなって思いました。“やっぱ、そんなにわかりやすくねぇよな!”って気持ちがあるんだなって。自分でも何が正解かわからないから、いろいろな議論があって、いろいろなパターンをやって、お芝居としては全部出し切れたので、あとは監督を信頼して、監督の編集にお任せしますという感じでした。

◆年を重ねるうちに自分を客観的に見れなくなっていく

――本作を通して、原作にも頻出する「想像力」というテーマについては、どのように考えましたか?
【佐藤健】 想像力については、今回改めてというより、原作を読んだときにいろいろと考えさせられました。基本的には共感ばかりしていましたね。まだ言う段階じゃないことをブログに書くってどうなの? ってこととか(笑)。そういう意味では今回、拓人はかなり自然体でした。原作に書かれた「想像力」って、要は“自分がどう見えているのか、客観的に見えてんの、君は?”みたいな意味ですよね。それをちゃんと想像できているの? という意味では、自分がどう見えているのか、僕も常に客観的にいようと努めてはいます。忘れてしまう瞬間ももちろんあるけど(笑)。やっぱり年を重ねるうちに、麻痺していっちゃうじゃないですか? どんどん自分を客観的に見れなくなっていく気がするので、常に意識することが大事だと思います。

――今年は、7月に熊本の被災地へ慰問に行かれたり、9月には写真集+DVDブック『X(ten)』(ワニブックス)を発売されるなど、お芝居以外の活動も印象的です。俳優生活10周年を迎えたいま、お芝居のいちばんのモチベーションは何ですか?
【佐藤健】 自分が出演している作品を観て、それがあるからがんばれるみたいなことを言ってくださる人がいることはもちろんありがたいんですけど、本当のモチベーションっていうのは全然カッコ悪いものです。僕ら俳優は、作品に出ないと生活できないじゃないですか? 作品に出ざるを得ないなかで、出るんだったらダサい格好は見せたくないし、なあなあでやっているって思われたくない。だからがんばる、本気でやる。それが正直、いちばんのモチベーションというか、一生懸命やる理由なんだと思います。見栄というか、意地というのか(苦笑)。

――デビューした頃から、変わったことはありますか?
【佐藤健】 10年前は何も考えていないですから! もちろん一生懸命やっていましたけど。楽しかったし。自分のなかで10年前と違うことと言えば、期待してくれる人や自分を認めてくれている人、自分を信じて作品にかけてくれた、一緒にやってきたスタッフがいてくれること。そういう人たちに恥ずかしい姿は見せたくないし「あいつ、変わったな」って思われたくないなって。ファンの人たちも、いいと思ってくれたから、ファンでいてくれるわけで、そういう人たちの期待に応えたい。やっぱり“いい仕事してるよね”って思われたいですね。
(文:石村加奈)

最終更新:10/11(火) 8:40

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