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桐谷健太、役者でも音楽番組に出ることに「引け目は全然感じない」

オリコン 10/5(水) 8:40配信

 auのCMで歌った「海の声」が大きな話題となり、『NHK紅白歌合戦』への出場も噂される桐谷健太。今年は俳優として活躍しながらも、アルバム『香音-KANON-』も発売。数々の音楽番組にも出演している彼だが、その心境とは? 「海の声」の制作裏話、そして同曲のヒットから生まれた“人生哲学”も語る。

【写真】桐谷“浦ちゃん”が「海の声」を届けたのは、菜々緒演じるドSな乙姫

◆「俺、南から来てる」、中学時代にあった沖縄との接点

――今年は、俳優としてはもちろん音楽での活躍が目覚ましいです。CMで話題になった「海の声」では三線を演奏されて、映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』では地獄ロックバンド“地獄図”(ヘルズ)のドラマー役、そしてアルバム『香音-KANON-』の発売。そもそも高校時代は軽音楽部だったんですよね? どんな音楽を演奏してたんですか?
【桐谷健太】 THE BOOMにユニコーン……、洋楽ではオジー・オズボーンとかニルヴァーナ……もういろいろ。基本僕はドラムで、ときどきボーカルでした。

――CMで披露している三線を始めたきっかけは?
【桐谷健太】 中学校の時に初めて親と一緒に沖縄に行って、空港に降り立って風を感じた瞬間、ぶわーって鳥肌が立った。「懐かしい!」って思ったんです。「俺、ここからや、南から来てる」って。初めて行った場所であんな感覚になったことが、今でも忘れられへん。そこから沖縄民謡とかも聴くようになって。だから、俺の場合楽器は、何かに生かそうとかそういうことじゃなくて、単純に好きで始めたものばかりですね。

――実際に触れたのは?
【桐谷健太】 23歳か24歳か……。中学の時「沖縄、サイコー!」と思って以来、ちょいちょい沖縄には行ってました。大阪に帰っても沖縄のことを思い出してたんです。で、あるとき、役者としてデビューしたあとで、撮影で大阪に帰ってオカンと一緒に実家の近くを歩いていたら、三線の音色が聴こえてきて。バッと見たら、そこに三線屋があったんです。大阪に、三線屋さん。普通ないでしょ?(笑)。そこで初めて三線を買いました。今、音楽番組に出るときに弾いている三線も、その実家の近くの三線屋さんで買ったものです。

◆「好きでやってたことが仕事につながった。そこが自分らしい」

――シンプルだけれど鮮烈な出会いがあって、今に繋がっているんですね。
【桐谷健太】 そうなんですよ。何かを狙って始めたんじゃなくて、映画の『BECK』でやったラップにしても、ドラムにしても、三線にしても、単純に好きでやってたことが仕事につながった。そこが本当にありがたいし、自分らしいのかな、と思います。今回、「海の声」がいろんな人に受け入れられたことは、自分の中のちょっとした哲学にもつながったというか。

――哲学?
【桐谷健太】 今、目の前にあること、今、出会ったものを愛して、遊び心を持ちながらも全力でやれば、いいことにつながっていくねんな、と思いました。ヘンに、「こうしないといけない!」とかより、ただ好きなことをやるっていう、シンプルな動機が大事なんじゃないかと。

◆「三線の先生からは“弟子にしたい”とまで言ってもらえました」

――CM用の「海の声」レコーディングでは、三線をご自分で弾きたいと言ったそうですが。
【桐谷健太】 やっぱり、自分で弾かないと説得力がないなと思って。レコーディングのときは、プロの先生にも来ていただいていたんですけど、その先生からは「弟子にしたい」とまで言ってもらえました。

――今年を代表する歌になりました。
【桐谷健太】 いろんな奇跡が重なったんです。歌詞は、CMプランナーの人が書いたものだし、まさかこんなに話題になるとは誰も思っていなかった。曲をもらったのも、CM用のレコーディングの3日前。先に歌を録って、そのあとで三線もレコーディングしたんですけど、ずっと触ってなかったから、工工四(くんくんしー)っていう楽譜と睨めっこしながら、必死で弾いたんです(苦笑)。最初にこの曲を聴いたときに、「誰かを、何かを、想う歌だ」と直感したんですね。家族でも恋人でも自然でもいい。何か大切なものを思って歌えばいいやん、って想いだけで歌いました。で、CMが流れて、あれよあれよという間にYouTubeの再生回数がすごいぞ、と……。三線も歌も、好きでやってたことがCMになって、大勢の人に受け入れられて。役者人生でも、浦島太郎の役をやるなんてまさか思っていなかった(笑)。目の前のことを愛して全力でやっていれば、面白い、予想外のことにつながっていくねんな、って思たんです。浜辺で歌うののも、浦ちゃんやから成立することやし。全部、狙わなかったのがええねんなって思う。狙ってうまくいっても予想通りで感動はないし、うまくいかなかったら落ち込むでしょ?

――さっきの哲学が(笑)。
【桐谷健太】 好きなことを、楽しみながら、一生懸命やる。そこで連れて来てくれるものがあれば「ありがとう」やし。それがシンプルで、俺らしくてええな、と。

◆「音楽が好きで、全力で音を楽しんでる限り、引け目なんて全っ然感じない」

――アルバムを作るにあたって、『香音-KANON-』では作詞を手がけています。
【桐谷健太】 初めてアルバムを出させてもらうのに、詞も曲も全部人に任せて「歌います」だけやったら、説得力がないなと思ったんです。それじゃあ役者の延長線だな、と。アーティストの醍醐味って、0を1にすることだと思う。今回は詞を書かせてもらって、曲も高校の同級生と一緒に切磋琢磨しながら作れた。そこが、大切な、自分の中での納得感になりました。

――ところで、先日は、『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の特別編で、木村拓哉さんとキャンプに行ったり、バラエティでの活躍も目立ちます。
【桐谷健太】 バラエティは、すごくお声がかかります(笑)。

――弟にも兄貴にもなれるようなところがあって、誰とでも馴染むところも個性の一つなんでしょうか。
【桐谷健太】 どうなんでしょうね、でもたとえば、中学校って、不良グループ、面白いヤツらの集まり、オタクなメンバーのグループとかに分かれるじゃないですか。普通はグループ同士は全然行き来がないけど、俺は全部のグループに行き来してました(笑)。「◯◯に所属してるからこうあるべき」みたいな決めつけを、もともと持ってないんですよ。最近、取材で「役者が本業ということで、音楽番組に出ることに引け目を感じたりはしませんか?」と聞かれることがあるんですけど、そういう発想は全然ないですね。音楽が好きで、全力で音を楽しんでる限り、引け目なんて感じない。「好きじゃないのに歌わされてるんです」とかなら失礼だと思うけど(笑)。音楽は楽しんでいる以上、誰だってアーティストです!
(文/菊地陽子)

最終更新:10/5(水) 8:40

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