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素直に偽りなく、綾野ましろ 全てを投影させた「WHITE PLACE」/インタビュー

MusicVoice 10/4(火) 11:00配信

 北海道洞爺湖出身の人気アニソンシンガー、綾野ましろが10月5日に、1stフルアルバム『WHITE PLACE』をリリースする。メジャーデビューから約2年、ボーナストラック含む全15曲を収録。新録6曲に加え、メジャーデビュー前の曲となる「刹那クロニクル」をアルバムバージョンとしてボーカルを再録音。新旧楽曲を含め、2年前の“綾野ましろ”との違いも再確認できる内容に仕上がっている。綾野ましろは常に、“人に寄り添う音楽”をテーマに掲げ制作。周りの気持ちを客観視して捉えるというそのスタイルに隠された背景、シンガーとしての心構えや新録曲への想いなどを聞いた。

【写真】インタビューカット

メリーゴーランドに悲しい印象しかない

――アルバム『WHITE PLACE』はベストアルバムのような感じになりましたね。

 現時点でベストのような、盛りだくさんで内容の濃い一枚になっています。デビューからの2年だけではなく、プレデビュー時のボーカル音源も録音し直して収録されているので、デビュー前の綾野ましろから最近の綾野ましろまで、色んな楽曲を楽しんで頂けるのではないかと思います。今回はすごく幅広くポップな感じもあれば、今までよりも更に激しいものもあり、私としては得意としているミディアムテンポやバラードもあるんです。同じような曲が絶対に無い1枚になっているので楽しんで頂けると思います。

――バリエーションが豊富ですよね。曲順はましろさんもアイディアを出したりしたのですか?

 はい。ライブセットリストを想定しての曲の並びを考えたり、前半と後半で「A面B面」となっていたり。

――「A面B面」というのはアナログレコードを意識した感じ?

 そんなイメージもありますね。それとともに、一つの流れがあって、また半分からスタートしてというようなイメージになっています。

――1曲目の「white arise ~overture~」がイントロダクションで、2曲目が「ideal white」という曲順で始まりますが、やはり歌の1曲目としてはデビュー曲でいきたかった?

 やはり綾野ましろの始まりの曲でもあるので、やっぱり歌の1曲目は「ideal white」かなと。

――ここはもう迷わず?

 いろいろ迷ったりはしたんですけど「やっぱりこれかな!」という感じで落ち着きました。

――そして、新録曲の「スパイラルガーデン」へと続きますが、この楽曲はどういった思いで作詞されたのでしょうか。

 この曲は2ndシングルの「vanilla sky」を作曲して下さった溝口雅大さんに作って頂いたんです。「スパイラルガーデン」は、「vanilla sky」同様にアッパーな曲なのですが「vanilla sky」とはアレンジャーさんが違うということもあって、更に激しい感じなりました。

 「スパイラルガーデン」というタイトル通り、頭の中をグルグルとループしてしまって抜け出せないという悲しい情景を描きたかったんです。激しいけれども、崩れ落ちていくというようなイメージを持っていて、歌詞でも自分の後悔や、負の思いから抜け出せない主人公を描いています。悲しい歌詞にはなっているんですけど、ライブでは楽しめる楽曲だと思うので、うっぷんをライブでお互いにぶつけ合えたら楽しいんじゃないかなと思います。

――“スパイラル”という部分をメリーゴーランドに例えていると思うんですが、最初に歌詞を読んだ時に、メリーゴーランドと悲しい感情が結びつかなかったのですが、メリーゴーランドの楽しい感じとの対比があって面白いと思いました。

 でも、私はメリーゴーランドに悲しい印象しかないんです。すごく狭い所にそれぞれの乗り物が縛り付けられて…。届かないし、追い付く事も出来ないし、追い越す事も出来ないから、かわいそうだなって思って見ていたし、何か怖かったんです。

――確かにそう捉えると悲しいですね。ホラー作品などでもメリーゴーランドが出てきたりするので、そのイメージも確かにあるかもしれませんね。

 ホラーとか怖い話とか、シリアスな作品が好きでいっぱい見てるからそういうイメージを持っているかもしれません。

――ホラー作品は好きなんですか?

 ホラーは大好きです。サスペンス・ミステリーみたいなお話とかも。それを紐解いていったりするのが好きなんです。

――ちなみに好きなサスペンス・ミステリーの作品などは?

 湊かなえさん作品や、宮部みゆきさんの作品をシリーズ化したドロドロとした世界観のものが好きです。幽霊とかではなく“人の怖さ”が描かれたものが好きですね。

――実際、一番怖いのは人かもしれませんしね。

 そうなんですよ…。一番怖いのは人と虫ですね。あと洋画だと『SAW』とか『CUBE』など、不思議で怖い作品というのはよく観ます。

――そういった部分が「スパイラルガーデン」の背景にあったのですね。あと、気になったのが、<曖昧な言葉に もがいて苦しくて>という歌詞。世界観が変わるセクションがありますが、そのセクションの最後に<白い暗闇>という表現をされていますが、これはどのようなイメージでしょうか?

 これは簡単に言えば「気を失った」というか、「頭が真っ白になる」と言うじゃないですか? それが白い闇に落ちていく感じなんです。白と闇は結びつかないかもしれないんですけど、白と黒は紙一重で両極だと思っていて、一周まわって同じ所にあるということを考えたりもするんです。そういう考えから派生して、“暗闇なんだけど何も無い世界”、“意識が無い世界”というのは「暗闇」なんじゃないかと思うんです。そこから「白い暗闇」という表現をしています。

――哲学的ですね。

 哲学なんでしょうかね…。「何で生きているのか?」とか気になるんですよ。そういう本ばかり読んだりとか、一日中そういう事を考えてその日が終わってしまう事もあります。今まで書いてきた歌詞よりは、人間のドロドロした部分、特に自分と戦うという感じですね。人との何かという事ではないのですが、自分の中で生まれてくるドロドロした感情を描いているのでそういった意味では今までにはない歌詞と言えます。

――アニメも最近は哲学要素のある作品が多いですよね。

 そうですね。「これ、子供が観るんだ」みたいな所はありますね。哲学と関係があるかわかりませんが、『まどかマギカ』(編注=アニメ・魔法少女まどか☆マギカ)を観た時にすごい衝撃を受けました。「小さい子が憧れて観る感じなのかな?」と思ったら全然違うんですよね。深いし芸術的だし、かっこいいなあと思って観ていました。

――「まどかマギカ」の世界観はましろさんとかなり合うと思います。

 すごく好きなんですよ。一時期は好き過ぎて、まどかのソウルジェム(編注=魔法少女まどか☆マギカで登場するアイテム)も持っていました(笑)。

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最終更新:10/4(火) 11:00

MusicVoice