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上市町中心部にクマ 2人襲われ1人軽傷

北日本新聞 10/4(火) 16:35配信

■中央小すぐ近く

 4日午前10時40分ごろ、上市町横法音寺の上市中央小学校周辺に成獣とみられるクマが現れ、畑作業中の女性(74)=同町=が背後から襲われて背中や腕に軽傷を負った。近くの建設現場にいた男性作業員(69)=富山市=もぶつかられたが、けがはなかった。その後も目撃、痕跡の情報が相次いだ。クマの行方は分からず、上市署や町がパトロールしている。市街地での人身被害発生を受け、県は同日、出没警報を発令。6日に緊急対策会議を開く。

 同署などによると、クマは体長約1メートル。同校北側の畑で女性を襲った後、教職員らの車が並ぶ校舎前を横切り、東側の住宅建設現場にいた男性にぶつかったとみられる。クマはその後、北側の住宅地へ走り去ったとみられる。

 4日は午前2時半ごろ、上市高校付近の田島野でもクマの目撃があり、同署や町役場有害鳥獣捕獲特別隊が未明から警戒していた。目撃は上市川の右岸、左岸に分かれ、見つかったふんの大きさにも差があることから、同隊は別のクマが出たとみている。

 上市町では2004年10月に中心商店街にクマが出没し、3人が重軽傷を負った。県内での人身被害は、昨年11月、上市町伊折の中山の登山道で登山者2人がクマに襲われ、けがをした事案以来。

 県によると、今秋はドングリの実り具合が非常に悪く、今後、クマが餌を求めて人里に出没するケースが急増することも予想される。

 今年の9月末までのクマの目撃・痕跡情報は157件で前年同期比18件増。9月に入ってからは36件で前年同月より22件多い。県は、人身被害を防ぐため▽カキなど果樹の実や生ごみの除去▽山里の集落に隣接するやぶや河川敷の草刈り▽山里の集落ではクマが活発になる朝夕の外出や農作業を控える-などの対策を取るよう注意喚起している。

 同日は小矢部、砺波、黒部の各市でもクマが目撃された。


■「まさかこんな所に」 襲われた男性
 資材を肩に担いだ直後、左脚に衝撃を受けた。男性は背後からクマに襲われたという。畑の女性はひっかき傷を負ったが、男性にけがはなかった。「頭をやられていたらと思うとぞっとする。まさかこんな所に」。地面の足跡を指さしながら語った。

 上市町社会福祉協議会の山崎美里さん(62)は、上市中央小学校内にあるデイサービス「おたっしゃ家」でクマを目撃した。「男性に飛びつく様子が見え、怖くて何度も『クマだ』と叫んだ」

 同校では講堂で全校集会が始まった直後。教職員が扉を閉めて安全を確保した。この日の下校と5日の登校は保護者が送迎することにした。孫を迎えに来た堀田和夫さん(69)は「クマの行方が分からず不安」と顔を曇らせた。町内全小学校でも集団下校や保護者へのメール配信を行った。

北日本新聞社

最終更新:10/4(火) 16:35

北日本新聞