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「政治利用されないか」 辺野古テント撤去の陳情採択、名護市議会の舞台裏

沖縄タイムス 10/4(火) 12:45配信

 【名護】辺野古新基地建設への抗議行動のテント撤去と違法駐車の取り締まり徹底を求めた陳情について、9月28日の定例会本会議で採択した名護市議会(屋比久稔議長)。「地元の声に対応すべきだ」として、野党に加え与党からも2人が賛成に回り、賛成多数(賛成15、反対11)となった。議会は「テント撤去について権限がなく言及できない」「地域住民に配慮して運動してほしい」という二つの付帯意見を付けたが、反対した与党議員の間には「採択が政治利用されないか」との懸念がくすぶる。(北部報道部・西江千尋)

 陳情は2015年2月、嘉陽宗克辺野古区長が提出。米軍キャンプ・シュワブのゲート前で車が立ち往生し、病院に間に合わなかったなど、区民の声を添えて訴えた。

 軍事基地等対策特別委員会では、地元の声の尊重と、表現の自由の観点から、議会が言及すべきでないという意見で割れ、継続審査が続いた。16年3月に議長預かりとなり、屋比久議長らが沖縄総合事務局や嘉陽区長に聞き取りした。

 聞き取り時には、テントはゲート近くの歩道上から道向かいの緑地帯に移動していたため、嘉陽区長はテント撤去は求めず、集会終了ごとにテントのシートをたたんで片付けてほしいなどと要望した。

 屋比久議長は、(1)付帯意見を付ける(2)テント撤去の部分は審査不要とし、違法駐車の部分を採択する-の2案を本会議前の議会運営委員会に提示。陳情採択に賛成する議員が多数を占める同委は(1)を選び、本会議に提案した。

 「付帯と陳情の内容が矛盾している」。本会議の反対討論で、大半の与党議員はこう訴えた。議会にはテント撤去の権限がないとする付帯意見とは裏腹に、陳情の内容は撤去を求めるもの。市議会がテント撤去に賛同したとの“独り歩き”や、採択の政治利用を危惧した。

 採決では野党全11人、公明2人に加え、与党2人が賛成した。与党の間で、反対議員が賛成議員と調整の場を設けようとしたが、2人は「違法行為を指摘する陳情。新基地の賛否は関係ない」などと応じず、議論が平行線のまま「急な採択となった」(反対議員の1人)。

 賛成した与党議員の1人は「地域から出た陳情をいつまでも放っておけない」としつつ、「抗議行動で地域に迷惑をかけてはいけない」と理由を説明。別の議員は「駐車違反などルールを守るべきところはしっかり言うべきだ」と述べ、新基地を巡る与党内の分裂ではないと強調した。

 屋比久議長も、陳情は住民生活への影響が趣旨とした上で「採択の政治利用は決して許されない」とけん制した。

最終更新:10/4(火) 19:35

沖縄タイムス