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明月収穫、歴史の重み 金沢・戸板小新校舎に移植、2年ぶり実る

北國新聞社 10/4(火) 2:45配信

 藩政期に戸板地区で植えられ、戸板小の裏庭に地区内で唯一残るナシの品種「明月」の収穫が3日、同小で行われ、2年生児童が大きな実をもぎ取った。3年前の新校舎への移転を機に、世話人の確保が課題となったこともあったが、住民の協力で手入れが継続され、収穫できるまでになった。来年度以降も収穫体験を実施し、ふるさとの歴史を学ぶ教材とする。

 明月は江戸時代中ごろ、現在の北町付近に住んでいた商人・市左衛門が越後の国で栽培されていた苗を持ち帰り、木曳川流域に植えたのが始まりとされる。実が大きいのが特徴で、多い時には戸板地区だけで約170軒が栽培していた。1960年代ごろから生産者が減少し、現在、地区内の農家は1軒となっている。

 戸板小にある明月の木は、ナシが作られていた歴史を児童に伝えるため、40年以上前に地元住民の手で植えられた貴重な「証言者」となる。

 2013年の新校舎移転とともにナシの木も移植された。二口町の造園業中田正敏さん(68)が地域にとって大切な明月を守ろうと、長年手入れをしていた高齢男性に代わり、世話人を受け継いだ。

 移植して1年目は実らず、2年目にいったん実をつけたが、昨年は鳥の被害で収穫できなかった。今年は中田さんがネットや虫よけのカバーを取り付け、20個ほどの収穫がかなった。

 収穫体験では、中田さんが明月の歴史を児童に紹介した後、代表児童が手のひらよりも大きくなった実をはさみで慎重にもぎ取り、「おっきい」「おいしそう」と歓声を上げた。

 同校は収穫体験を来年度以降も生活学習として取り入れる予定で、橋本有可校長は「子どもたちに地元の歴史を知ってもらい、伝統のナシを引き継いでほしい」と話した。

北國新聞社

最終更新:10/4(火) 2:45

北國新聞社

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