ここから本文です

三菱重工のMRJが5度目の納入延期になる公算、プロジェクトは大丈夫?

THE PAGE 10/6(木) 7:00配信

 初の国産ジェット旅客機である三菱重工のMRJが5度目の納入延期になる公算が高まってきました。これ以上、納入が遅れると、収益面でかなり厳しい状況に追い込まれます。MRJのプロジェクトは大丈夫なのでしょうか。

5度目の納入延期を検討

 三菱重工の航空機製造子会社である三菱航空機は、MRJについて5度目の納入延期を検討しています。当初は2013年の納入を目標としていましたが、初飛行の前に3回ほど開発スケジュールが延長され、初飛行に成功した2015年11月時点では2017年の納入を目指していました。しかし、開発スケジュールはさらに遅れ、その後は2018年半ばをメドに開発を進めてきました。

 2016年8月には、米国での試験飛行のため日本を飛び立った同機が空調システムの不具合などで2度日本に引き返すというトラブルが発生。3度目のトライでようやく米国への移送を完了しています。

 MRJは今後、機体の型式証明を取得するため、累計で2500時間に及ぶ飛行試験を実施する必要があります。この試験をクリアすれば、晴れて2018年半ばの納入にこぎ着けることができたはずなのですが、今度は別の問題が浮上してきました。量産に際して設計変更が必要なことが明らかとなり、開発スケジュールがさらに伸びる可能性が出てきたのです。

ライバルはブラジル・エンブラエル社

 新しい航空機を開発するにあたってトラブルはつきものであり、何度も遅延すること自体に問題があるわけではありません。しかしビジネスにおける収益面を考えるとそうも言っていられません。

 MRJの開発費は当初1800億円程度を見込んでいましたが、金額は大幅に膨らみ、現在では4000億円に達しているともいわれています。MRJの現時点における目標販売数は1000機となっており、仮予約を含めても約400機の受注しか取れていません。1000機を販売することができても収益的には厳しいといわれていますから、受注がこれ以上伸びないという状況になった場合には、かなりの赤字を覚悟する必要も出てきます。

 スケジュールが遅れることの最大の問題は、ライバルであるブラジル・エンブラエル社の最新鋭機納入のタイミングが刻々と近づいていることです。同社はMRJの競合となる機体の納入を2020年に開始する予定ですが、MRJはエンブラエルより2年納入が早いことがセールスポイントでした。

 しかし、このアドバンテージがなくなってしまうと、MRJはエンブラエルと直接戦わなければなりません。エンブラエルは新規参入の三菱と異なり、豊富な納入実績がありますから、直接、競合するという状況になった場合には、三菱の苦戦が予想されます。

 三菱重工の経営陣は、当初から黒字化には10年かかるとの見通しを示しています。5度目の納入延期となった場合には、さらに長期戦を強いられることになります。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:10/6(木) 7:00

THE PAGE

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。