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年間5000万羽の鶏の糞で発電、1万3000世帯分の電力を作る

スマートジャパン 10/5(水) 7:25配信

 岩手県を中心に鶏肉の生産・販売を手がける十文字チキンカンパニーが、県北部の軽米町(かるまいまち)に大規模なバイオマス発電所を建設した。隣接する青森県を含めて170カ所の飼育農場で発生する鶏の糞を燃料に利用する。

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 周辺に数多くの飼育農場がある山間部の一角に、「十文字チキンカンパニーバイオマス発電所」が9月28日に完成した。発電能力は6.25MW(メガワット)で、10月中に試運転を実施して、11月初めから本格的に稼働する予定だ。

 1日24時間の連続運転で1年間に315日の稼働を想定している。年間の発電量は4725万kWh(キロワット時)になる。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して1万3000世帯分に相当する電力で、軽米町の総世帯数(3300世帯)の4倍に匹敵する。

 発電した電力のうち1.45MWを発電所の内部で消費して、残りの4.8MWを固定価格買取制度で売電する方針だ。年間の売電量は3628万kWhを見込んでいる。廃棄物を使ったバイオマス発電の買取価格は1kWhあたり17円(税抜き)を適用することから、年間の売電収入は6億円強になる。

 十文字チキンカンパニーは岩手県と青森県の飼育農場から鶏の糞を集約する。170カ所の飼育農場では年5回のサイクルで、合計5000万羽を超える鶏を飼育している。大量の鶏が毎日排出する糞を燃料に利用できるため、バイオマス発電で課題になる燃料の安定確保にも支障はない。

 発電所では1日あたり400トンにのぼる鶏の糞を燃料に利用する計画だ。十文字チキンカンパニーが扱うブロイラーの糞には約3割の敷料(おがくず)が入っているため、そのまま燃焼させることができる。糞の含水率は40~65%の範囲で、そのうち55%以下のものを燃料に利用する設計になっている。

糞の受け入れから発電まで一貫処理

 人間や動物の排泄物を資源に利用するバイオマス発電では、微生物を使ってメタン発酵させてガスを作る方式が一般的である。この方式だと発酵の設備が必要になるほか、発酵時に熱を加える必要があるために多くのエネルギーを消費する。それと比べて鶏の糞を利用したバイオマス発電は通常の火力発電と同様の設備で済む利点がある。

 十文字チキンカンパニーのバイオマス発電所では、周辺地域からトラックで運んできた鶏の糞を受入口から流し込み、クレーンとコンベアを使って焼却用のボイラーまで搬送できる仕組みになっている。

 ボイラーで糞を燃焼した熱を使って、水から蒸気を発生させてタービンと発電機を駆動して発電する。と同時に糞を燃焼した後に排出する灰を回収して再利用することができる。鶏の糞を焼却した灰には、農作物の成長に必要なリンやカリウムを多く含んでいる。肥料として販売できるため、灰をフレコン(フレキシブルコンテナバッグ)に袋詰めする装置も備えた。

 1日に400トンの鶏の糞を焼却すると、そのうち1割にあたる40トンの灰が発生する。これをフレコン(1袋で500~800キログラム)に詰めてトラックで搬出する流れだ。主に全農(全国農業協同組合連合会)グループの肥料部門に販売する。鶏の糞を利用して再生可能エネルギーの電力を作りながら、地域のバイオマス資源を循環させることが可能になった。

最終更新:10/5(水) 7:25

スマートジャパン

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