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「ワンコイン保険加入」≒「メルセデス購入」のワケ

ZUU online 10/5(水) 11:10配信

生命保険に加入する動機としてあがるのが、「社会人になったから」とか「結婚したから」というのが多い。しかし、保険のことをよく分からずに、勧められるがままに保険に加入していないだろうか。必要のない保険に加入していたり、無駄な保険料を支払っている人もいる。そこで、今回は保険に加入する際の見極めのポイントについて解説する。

■保険に加入するのはなぜ?

そもそも保険は、お互いにお金を出し合い、困った人を助けようという相互扶助の理念から始まった。社会保障が充実していない時代に、家族の誰かが亡くなった場合、残された家族は路頭に迷ってしまう。そこで、地域やグループでお金を出し合い困った人が出たらそのプールされたお金を使って助けたのだ。現代の保険も基本は変わっていない。

日本では社会保障が充実しているにも関わらず、高額な保険料を支払っている人が多い。その背景には、横並び志向が強い日本の国民性が表れている。保険のセールスマンに「社会人になったら大人の責任として保険に入らないと」と言われるとみんなが入っているなら自分も保険に加入しなければと思ってしまうのである。10代から20代で死亡する確率は極めて低く、仮に死亡したとしても多額の保険金を親に残す必要性はない。

ランチ代を節約する一方で、必要性がない保険に月何万円もの保険料を支払うというのは本末転倒だ。夫が外で働き、妻は専業主婦というのが一般的だった時代と異なり、今は共働きも増え、一方が亡くなった場合には、残された方が自分の力で生活することはできる。ライフスタイルが変わったのだから保険のあり方も変えていかなければならない。

日本では、社会保障制度や保険について内容が把握できていないという点も不必要な保険に加入させられる原因になっている。「皆このような保険に入っています」と言われると「そんなものか」と納得してしまう人が多い。

■ワンコイン保険はメルセデスを購入するのと同じ

保険に加入する際の見極めのポイントとしては、保険料は「月額」ではなく「支払総額」で考えることが重要である。

保険料の月額が1万5000円の場合、保険のセールスマンは「1日で考えるとワンコインの500円で安心が買えます」などという。しかし、支払総額で考えると、支払い期間が30年の場合、保険料の総額は540万円にもなる。540万円ならメルセデス・ベンツのCクラスが1台買える値段だ。保険に加入するときそれだけの買い物をすると意識しているだろうか。保険に加入する時は「これくらいの保険料なら払えるか」ではなく、「これだけの高い買い物をする価値はあるのか」で考えてほしい。

■その保険は本当に必要なのか?

次に、保険に加入する前に、貯蓄や投資でリスクをカバーできないか考えてほしい。

そもそも数億円の資産があるようなお金持ちは相続対策を別にすれば、保険に加入する必要性はない。万が一のことがあっても自分が持っているお金でリスクを十分カバーできるからだ。

もちろん、一般のサラリーマンですべてのリスクをカバーできるだけの資産を持っている人は少ないだろう。しかし、金額の多寡はともかく貯蓄や投資があるという人はいるはずだ。

貯蓄や投資があるならば、それでリスクがカバーできる分は保険に加入する必要はない。また、今は貯蓄や投資がなくても保険に加入せず、その分を貯蓄や投資に回すことで将来の経済的リスクに対応できないか考えることも大事だ。さらに、社会保障制度でカバーできないか考えることも重要である。入院で考えると、医療保険制度の影響から長期入院はさせない病院が多く、また、高額療養費制度があるので年収が370万円から770万円の人であれば、医療費の上限は(8万100円+(医療費-26万7000円)×1%)に抑えられている。

保険の入院給付金は1日あたり5000円から1万円で加入する人が多いが、10日入院しても、5日は免責される保険が多いので、給付金が5000円の場合で2万5000円、給付金が1万円でも5万円しか支給されない。この程度のお金なら貯蓄で十分賄えるはずだ。また、亡くなった場合にも遺族年金があるので、生活費の全てが必要というわけではない。なので、必要保障額を考える場合にはこの点も考慮して欲しい。

■「もっと早く保険に入っておけばよかった」には注意

これまで、無駄な保険に入らないためのポイントについて解説してきたが、保険は誰でも入れるというものではないのでその点だけは注意して欲しい。投資や貯蓄は誰でもいつでも始められるが、病気の人や危険な職業の人は生命保険に入れない。健康診断で数値に異常が出れば、保険加入に条件が付いたり断られたりする。後になって「もっと早く保険に入っておけばよかった」ということのないように、ある程度の年齢になったら最低限の生命保険には入っておきたい。(ZUU online 編集部)

最終更新:10/5(水) 11:10

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