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ここがヘンだよ、日本のWi-Fi

ITmedia エンタープライズ 10/5(水) 16:35配信

 いつものように近所のカフェで記事を書いていたときのこと。原稿を書き終わってゆったりしていると、カフェの壁に貼られた紙を虫眼鏡でのぞき込んでいる人を見かけました。

【画像】災害時に無料開放されるWi-Fiスポットとは

 一体、何だろう? といぶかしげに見ていたのが伝わったのか、振り返ったその人は、英語で「Wi-Fiにつなげたいのだけれど、説明がよく分からないの」と声をかけてきました。壁に書かれていた無線LANの接続方法は、かなり文字が小さく説明は日本語のみ。SSIDさえ分かればよかったのでしょうが、それも分かりづらかったようです。

 彼女はイタリアからの旅行者で、このカフェの近くで娘さんと待ち合わせをしていたようです。イタリア語のiPhoneを勘と経験で設定変更し、無事ネットワーク接続を済ませると、すぐにIPフォンで電話をかけて娘さんと連絡を取っていました。今や、ネットにさえつながってしまえば、通話も普通にできてしまうのだなぁと、あらためて実感したのでした。

●「日本でつながる」というハードルの高さ

 思えば私も、海外旅行ネットワークにつながるために、必死になった記憶があります。以前、「スマホだけを頼りに観光やホテルの予約をこなす」という取材をしたとき、不安はあったものの、「実際、現地に放り出されても“スマートフォンの地図さえあればなんとかなる”」と思ったものです。しかし、それも「ネットにつながる」という前提があってこそ。現地でインターネットに接続できなければ、ホテルの中でじっとしていたかもしれません。

 今や海外でも、Google Mapを使えば、“今いる場所”だけでなく、目的地までの移動手段や近くにあるレストランまで分かる時代。“ネットワーク接続への依存度”も、以前と比べて格段に増していることが分かります。

 実は日本では、ネットワークにアクセスするためのハードルが高いことが課題になっていました。通信事業者が用意するWi-Fiアクセスポイントは街中にあふれているものの、「無料」で使えるWi-Fiスポットが少なかったのです。

 ただ、そんな状況は変わりつつあります。現在では「Japan Connected-free Wi-Fi」という仕組みが用意されており、これをインストールして登録すれば、かなり多くのWi-Fiスポットを利用できるようです。問題は、「この仕組みがどの程度、訪日観光客に知られているか」という点でしょう。

●万一のときに無料で使えるWi-Fi、ご存じですか?

 “つながることが前提”の世の中になると、事故や災害でネットに接続できなくなったときに、予想以上のダメージを受けることになります。

 こうした事態に直面したときに備えて、知っておいた方がいい“文字列”があります。それは「00000JAPAN」。大規模災害時に通信事業者をはじめとするWi-Fiスポットを無料開放するという仕組みがあり、その際、各社のSSIDがこの00000JAPANになるのです。2016年4月に発生した熊本地震で稼働し、話題になりました。

 通信というインフラは、災害時や外国で迷子になったときなどに、初めてそのありがたさが分かるのかもしれません。できれば、普通につながる状況のときに、「つながらなくなった場合」のシミュレーションをしておくといいでしょう。そうしておけば、「海外で無料Wi-Fiにつながる(と言い張る偽の)アプリ」や、「(ゼロが1つ足りない)0000JAPANと名乗る無料Wi-Fi」みたいなものにだまされずに済むでしょう。

最終更新:10/5(水) 16:35

ITmedia エンタープライズ