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宇都宮の餃子は作られた食文化、街おこしは成功したのか?

投信1 10/5(水) 12:15配信

北関東最大の都市である宇都宮は餃子の街

宇都宮市(栃木県)に行く機会がありました。宇都宮市は人口が約52万人の北関東最大の都市です。人口規模で見ると、松山市(愛媛県)とほぼ同じになります。そして、宇都宮と言えば、何と言っても「餃子」が全国的に有名です。“宇都宮=餃子”と連想する人は、決して少なくないでしょう。実際、宇都宮は餃子の街なのです。

餃子、餃子、餃子

宇都宮駅に降りると、すでに餃子、餃子、餃子、これでもかと言うくらい餃子です。駅前を始めとして市内の至る所に餃子の専門店があります。宇都宮では中華料理店で餃子を食べるのではなく、餃子専門店で食べるのがごく当たり前のようです。普通は、ラーメンの箸休めで餃子を注文しますが、宇都宮では餃子の箸休めにラーメンを注文すると聞きました。

現在、協同組合「宇都宮餃子会」に加盟する店は80店以上の模様ですが(2013年)、非加盟店を合わせると、市内には200店以上の餃子専門店があると見られています。餃子の種類も、チーズ入りやピザ風など、バリエーションが豊富です。

宇都宮の餃子は伝統のない“作られた食文化”

しかし、生後間もなくから小学校4年生まで宇都宮で過ごした筆者は、ハッキリと断言します。これは“作り上げられた食文化”であり、郷土の伝統や歴史とは一切関係ないものです。筆者が宇都宮を離れた1976年、餃子の街の面影など全くありませんでした。宇都宮に30年以上住んでいる方は、間違いなく、同じ感想をお持ちかと推測します。

さすがに、宇都宮市の公式HPには、街おこしのために作られた食文化とは書かれていません。しかし、前述の「宇都宮餃子会」のHPには、『宇都宮の名を「餃子」を通してPRする方法として、宇都宮市が「餃子日本一であること」等を発表』と書かれていますし、他の様々なウエブサイトにも、街おこしの目玉策として1990年12月から推進したことが明記されています。

筆者が調べた限りでは、当時の市の職員が街おこしになることを探していたところ、総務省統計局の「家計調査年報」の中にある「餃子購入額」において、宇都宮が常に上位に挙がっていることに注目し、「餃子」をキーワードとしてPRに注力してきたことが始まりのようです。

1990年と言えば、バブル経済が崩壊して先行きが危ぶまれた頃です。宇都宮市の職員も“何かしないと…”という危機感があったのかもしれません。

さて、始めた動機はともかく、餃子が宇都宮の代名詞になったことは事実でしょう。しかし、本来の目的であるはずの街おこしはどうなったのでしょうか。

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最終更新:10/5(水) 12:15

投信1