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【イッセイ ミヤケとソニー】異業種チームが挑むファッションの未来(前編)

SENSORS 10/5(水) 12:00配信

パリコレで世界のファッションメディアが賞賛したイッセイ ミヤケのバッグ「EB」(Electronic Bag)。そのプロジェクトに関わったイッセイ ミヤケとソニーのFashion Entertainmentsチームにプロジェクト発足の背景、ビジョンを特別取材した。

右脳思考”と”左脳思考”の融合「テクニカルアーティスト」の仕事

SENSORSでは今までも「ファッションとテクノロジー」プロジェクトを追ってきた。多くは新進気鋭のデジタル世代が生み出すファッションで、新しい価値観と時代の流れが変わる可能性を感じワクワクするものが多かった。だが、今回のプロジェクトの話を聞きワクワクを通り越して、時代が変わる緊張感を感じたことを最初に告白する。イッセイ ミヤケが真摯にテクノロジーに向きあった商品を世の中に披露した。それが、パリコレでも話題になった電子ペーパーを使用したバッグ「EB」である。素材に選んだのはソニーのFashion Entertainmentsプロジェクト発の電子ペーパー。日本を代表する老舗メゾンと電機メーカーの社内スタートアップがタッグを組んだプロジェクトはどのように生まれたのか?「ISSEY MIYAKE」のデザイナー宮前義之氏とそのチーム、そしてソニー株式会社のFashion Entertainmentsプロジェクトのリーダー杉上雄紀氏、伊藤健二氏、米田成吾氏に特別に伺った。

■全体の8割は失敗の繰り返し。その中で生み出された「EB」。

--まず、イッセイ ミヤケとソニーの社内スタートアップがタッグを組んだことに驚きました。いままでも服のデザイナーとデバイスエンジニアが一緒のチームでプロジェクトを進めたことはあったのでしょうか?

宮前: いいえ、いままでに無い取り組みに挑戦しました。

--実際にプロジェクトを進めてみて異業種の方との仕事はいかがでしたか?

宮前: まず今回の取り組みの前提として「新しい経験を得たい」という自分の中の欲求がありました。この業界の我々だけでは立ち向かえない素材と向き合えるチャンスがあると考えソニーさんの電子ペーパーを活用しようと考えました。結果だけ先にお伝えすると、大変でしたがとても面白かったです。

最終的にプロダクトとしてはバッグとなったのですが、ここまでに至る過程で様々な問題が立ちはだかり、それを企業の垣根を超えたチームでクリアしていく、という繰り返しの中で非常に貴重な体験ができました。

--最終的な落とし込みが“バッグ“だった、ということは電子ペーパーを利用した他のプロダクトになる可能性もあったのでしょうか?

宮前: 最初に拝見したのはFashion Entertainmentsプロジェクトの第一弾製品『FES Watch』だったのですが、リーダーの杉上さんが「時計からスタートするが将来的には電子ペーパーを布地のように扱い、服などの大きなプロダクトに仕上げたい」とおっしゃっていて、そのビジョンに共感し、それではイッセイ ミヤケでできることは何か?ということを探りました。

現時点での電子ペーパーは素材としては固く、服を作るのは難しいので、自分たちの経験値があるバッグであれば作れるのではないか?と考え“バッグ“をゴールに舵を切って進みました。ただ当然のごとく新しい素材を扱うので多くの課題に直面し、そのひとつひとつをクリアしながら進めることとなりました。ただ我々はいままでも紙、プラスティック、陶器などのアパレル業界では普段利用しない新しい素材をものづくりに組み込むチャレンジをしているので、今回も新しい素材に出会うメリットやデメリット、素材特性を理解しながら進んでいくこととなりました。 新しい事に取り組む際には当然のことですが、全体の8割ぐらいは失敗でしたが、その失敗から得たものを活かしながら挑戦し続けました。

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最終更新:10/7(金) 10:36

SENSORS

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。