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材料開発短期化の「MIシステム」開発目指す官民共同事業、今年度内にプロトタイプ完成

鉄鋼新聞 10/5(水) 6:00配信

 計算機科学の応用で材料開発を短期化する「マテリアルズインテグレーション(MI)システム」の開発を目指す官民共同事業が順調だ。今年度内に最終目標の原型となるプロトタイプのシステムが完成する見通しになった。同事業には高炉メーカーも参画している。世界的にMIの開発機運が高まる中、日本の産業競争力強化につながる取り組みとしてさらなる加速が期待される。

 同事業は内閣府が最先端の基礎研究を支援する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」(2014~18年度)。SIPの11課題のうち、国際競争力ある航空機エンジン用耐熱合金開発などを目指す「革新的構造材料」でMIの研究開発を進めている。
 MIの研究開発体制は東京大学の小関敏彦教授をトップとし、東大や物質・材料研究機構など10大学・研究機関とJFEスチール、神戸製鋼所、UACJ、IHIの4企業が参画している。
 MIシステムの開発の狙いは材料や部材の研究開発時間の短縮。実現すれば優れた特性の新材料を短期間で開発できるようになると期待されている。過去に蓄積した膨大な実験データや材料工学理論などを基にしたシステムで、材料条件など限られたデータを入力するだけで、その材料の寿命などが分かるようになる。結果として材料試験などが省略でき、材料開発コストの低減なども可能になる。
 SIPでは高強度厚板の溶接継手部を例題として第一弾のMIシステム構築を進めており、18年度までに完成を目指している。開発システムでは、材料組成やプロセス条件を入力すると、疲労寿命やクリープ寿命などを高精度に算出できる見込みだ。
 現在はシステム全体を構成する「組織予測システム」「性能予測システム」「特定空間分析システム」の各システムの個別開発にめどが付きつつある段階。今年度内に各システムを連結させ、最終目標の原型となる「アルファ版」が完成する見込みだ。最終的には各システムを統合し、入力から出力まで自動計算できるようにする。
 高強度厚板の溶接部を対象としたMIをベースに航空機エンジン用のチタン合金、ニッケル基合金に応用展開したい考え。
 MIと同様のシステムは世界的に開発競争が激しくなっており、米国の「マテリアルゲノム計画」などが進んでいる。

最終更新:10/5(水) 6:00

鉄鋼新聞

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