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トヨタ、3万9800円の手のひらサイズの会話型ロボ「KIROBOmini」発売

日刊工業新聞電子版 10/5(水) 14:30配信

ロボット宇宙飛行士「キロボ」がベース

 トヨタ自動車はコミュニケーションロボットに参入する。2017年に手のひらサイズの小型ロボット「KIROBOmini(キロボミニ)」を発売する。本体価格は3万9800円(消費税抜き)と、10万円台が多いコミュニケーションロボットの中で、低く設定した。キロボミニは車や住宅とつなぐコミュニケーションツールとの位置付け。消費者向けの商品化を先行し、実用化を予定する生活支援や介護支援向けも含め、ロボット事業全体でトヨタブランドの認知度を確立する。

 トヨタは消費者に愛着を持ってもらえる商品を車以外にも生み出すプロジェクトを進めている。キロボミニは実質的に発売第1弾。13―14年に国際宇宙ステーションで会話実験などをしたロボット宇宙飛行士「キロボ」をベースに開発した。

生産はVAIOが担当

 キロボミニは人の表情をカメラで読み取って感情を推定し「楽しそうな顔をしているね」などと会話する。マイクを三つ搭載し、人の声の方向に顔を向けて話す。個人の識別はできないが、人との情緒的なつながりを意識し「少しずつ成長しながらパートナーになる存在」(吉田守孝専務役員)とした。

 短距離無線通信「ブルートゥース」を用いて専用アプリケーション(応用ソフト)の入ったスマートフォンで制御し、本体側に必要な機構を少なくした。携帯電話回線やWi―Fiを本体に搭載する他社製より価格を抑えた。アプリの月額使用料は300円程度。トヨタの車両販売店で販売する。生産はVAIO(長野県安曇野市)に委託した。

人との関係は「親子」

 トヨタ自動車が2017年に投入するコミュニケーションパートナー「KIROBOmini(キロボミニ)」で、訴求するのは製品の「情緒的な価値」(吉田守孝専務役員)だ。「車は“愛車”といった“愛”がつく数少ない工業製品」というのが豊田章男社長の持論。トヨタは車以外にも「愛」の付く商品を提案する試みを本格化する。一方で、コミュニケーションロボットの普及には課題もある。

 「心のキャッチボールができる存在」―。キロボミニを開発した片岡史憲新コンセプト企画室主査はこう表現する。トヨタが提案する人とキロボミニの関係性は、「親子」のそれに似ている。人の顔を見つめ、手や頭を動かす時は赤ちゃんのようにゆらゆらと揺れる。発光ダイオード(LED)の目でまばたきし、時に人が真剣な顔をすると、「何か頭にくることあった?」と話しかける。

 トヨタは正式にはキロボミニを「ロボット」とは言わず、あえて「コミュニケーションパートナー」と呼ぶ。15年の東京モーターショーにキロボミニを実験展示し、約2000人にロボットに求める条件を調査。その結果を踏まえ、人とのコミュニケーションに特化し、価格を抑えた。さまざまな機能がある「ロボット」というよりも「パートナー」として訴求する。

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最終更新:10/5(水) 14:30

日刊工業新聞電子版