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トヨタはプライドを捨てダイハツ主導のプラットフォームで勝負できるか

ニュースイッチ 10/5(水) 11:40配信

小型車のバーチャルカンパニーを来年設置。本命市場はインドと日本か

 トヨタ自動車は、トヨタブランドの新興国向け小型車事業を担当する社内カンパニーを、ダイハツ工業と両社で2017年1月をめどに設置する。いわゆるバーチャル(仮想)カンパニーで、小型車づくりを得意とするダイハツが主導する形をとり、車両企画から生産準備までを担う。トヨタは小型車事業をダイハツに一任することを柱に8月にダイハツを完全子会社化。具体的な協業形態を詰めてきた。

 4日に記者団の取材に応じたトヨタの寺師茂樹副社長は「(新興国担当の)第2トヨタとダイハツとの合弁会社をつくるイメージ」と説明。ダイハツの三井正則社長は「互いの強みで弱みをカバーする」と狙いを語った。

 新カンパニーの名称や本拠地は未定。規模は車両台数でいえば「100万台規模にはなる」(寺師副社長)と語った。新カンパニーのダイハツが手がける「Aセグメント」だけでなく、トヨタも手がけている「Bセグメント」全体も対象車種とする。

 具体的な協業では、まずはインドネシアやマレーシアといった両社が強みを持つ国で、ダイハツの既存車種をトヨタブランドで販売しラインアップを拡充する。その後、新興国でのエリアを広げる。

 一方、国内での軽自動車を含むダイハツ車についてはダイハツが「(新設計思想)『DNGA』を進めダイハツブランドを確立させる」(三井社長)。DNGAは「企画から開発フェーズに移ったところ」(同)という。

<解説>
 100%子会社化したダイハツ工業と協調した小型車開発と事業化が本格化することを意味する重要な展開だ。100万台規模と言うコメントには重みがある。軽自動車も含めればざっと160万台規模となり、トヨタグループの15%を担う規模となる。

 インドネシアを中核に、AセグメントからBセグメントのクルマ開発と事業化を担うバーチャルカンパニーとなり、その本命はインドと日本市場ということになるだろう。トヨタがプライドを捨て、ダイハツ主導のDNGAを謙虚に受け止めれるかが大きなカギ。

 ある意味で未開に近いBセグメントをDNGAで本当に世界的な競争力を獲得できるか否か、退路が断たれているダイハツにとっては命運を左右する事業となる。
(ナカニシ自動車産業リサーチ代表・中西孝樹氏)

最終更新:10/5(水) 11:40

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