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“原子力”教育の減少に危機感! 原子力機構が大学向けネット講義の拡大に乗り出す

日刊工業新聞電子版 10/5(水) 16:00配信

教授人材の不足解消へ

 日本原子力研究開発機構は、原子力分野の大学での講義支援を強化する。原子力人材育成センターを通じ、インターネットで大学をつなぐ遠隔教育システム「原子力分野における大学連携ネットワーク活動」(JNEN)の参加大学を、2021年度をめどに現在の約2倍となる13大学まで増やす方針。受講者数も現在より200人多い500人まで増やす。大学改革の流れの中で、原子力の関連分野で講義できる大学が減っており、支援を通じ研究者を増やす考えだ。

 JNENは2005年に原子力機構のほか東京工業大学、金沢大学、福井大学で発足。現在は岡山大学や茨城大学、大阪大学、名古屋大学が加わっている。参画する各大学の教員が専門分野の基礎教育などを担当し、学生はそれぞれの大学でテレビを通じて同時に受講できる。

 授業は「原子力工学基礎」として通年で行うほか、原子力機構の研究施設を活用した実習なども実施している。原子力の研究分野には原子核や核燃料工学をはじめ、放射性廃棄物処理処分、リスクコミュニケーションなどさまざまな分野がある。

 福島第一原発事故の影響で事故炉の廃止措置や汚染水の処理といった新たな課題も浮上している。沢井友次センター長は「教授人材の不足といった、大学が抱えている問題解決の一助になる。原子力分野の大学教育に貢献したい」と話している。

最終更新:10/5(水) 16:00

日刊工業新聞電子版