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熊谷産キヌヒカリ、備蓄米として商品化 災害対策で売れ行き好調

埼玉新聞 10/5(水) 10:30配信

 JAくまがやとJA全農さいたまは共同で、埼玉県熊谷市内で生産されている米「キヌヒカリ」を、備蓄米の一種で湯や水で戻して食べられる「アルファ米」として、保存食製造大手の尾西食品(東京都港区)とOEM方式(相手先ブランドによる生産)で商品化した。JA全農さいたまでは、県内JA管内で生産した米を、OEM形式で備蓄米に商品化するのは今回が初めて。台風シーズンや秋の長雨を想定し8月に発売したが、台風接近や豪雨の影響もあり、売れ行きは好調という。

 キヌヒカリは熊谷市など県内で30年ほど前から生産されている銘柄。ここ数年は県内で約4000ヘクタール、同市内では約800ヘクタール作付けされている。味はコシヒカリよりもソフトな粘りで、さっぱりとした口当たりが特徴。冷めると甘味が増し、柔かさも保つので、弁当に適しているという。

 「アルファ米」は、米を炊き上げた後、特殊技術で乾燥させたもので保存期間は5年と長い。湯を加えると15分程度で食べれるようになるという。緊急時に湯を沸かすのが困難な場合は、水を加え60分程度で食べることができるのも特徴だ。

 JAくまがやでは、熊谷市内で生産されるキヌヒカリの認知度を高めようと、数年程前から白米以外での販売方法を検討してきた。その中で東日本大震災などの災害が発生する度に、備蓄食が利用されるのを何度も見聞してきた。

 中でも、被災地で復興支援を行った著名なスポーツ選手が紹介した「アルファ米」が、被災地で手軽に食べられて好評だったという話が印象的だったという。そのため、アルファ米の開発を選択した。

 アルファ米の製造は、尾西食品に依頼した。JA側は同社がアルファ米製造の大手であることや、イスラム教徒向け食品認証「ハラール認証」を受けている点を評価した。尾西食品が関東圏で生産した米をアルファ米にしたのは初めてという。商品はJAから原料を供給、尾西食品がアルファ米を製造、JAで販売するOEM形式を採用している。

 現在、白飯とキヌヒカリを使った五目ごはん各5食が入った非常食セットが、3千円で熊谷市内のJA直売所で販売されている。売れ行きは好調で、JAくまがやでは、今年の目標数である1500セットに到達すると見込んでいる。来年以降は年間2千セットを目標に販売したいとし、「地産地消も意識し、備蓄米を開発した。災害対策に購入してほしい」と話している。

 問い合わせは、同JA(電話048・521・6586)へ。

最終更新:10/5(水) 10:30

埼玉新聞