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戦前の電車、38年ぶり京急電鉄へ 「歴史的に貴重」川口市が譲渡

埼玉新聞 10/5(水) 10:32配信

 埼玉県川口市西青木の青木町公園の一角に展示保存されている京浜急行電鉄の戦前の電車が同社に無償で引き取られることになった。市によると、公園に展示されたのは1979年4月。38年ぶりに古巣に戻ることになる。同社広報課は「川口では子どもたちに大変親しまれ人気者だったそうで、これからもみんなに親しまれるように活躍してもらう」と話している。

 車両は「デハ230形」で、戦前の29年に製造された「デハ236号」。車体は長さ16メートル、幅2・7メートル、高さ3・9メートル、重量は33・5トン。

 かつてこの場所には、61年に開館した市立児童文化センターがあり、79年にデハ236号がやって来た。同館は2003年に閉館し、中にあったプラネタリウムや天文台はSKIPシティに移転して市立科学館になったが、SLとデハ236号は残された。

 旧児童文化センターは空き家になり、デハ236号は風雨の中に放置されていた。同センターを近く取り壊すことになり、市がデハ236号の無償譲渡先を公募で呼び掛けたところ、京急電鉄が引き取りを申し出たという。SLはこのまま保存展示される。

 京急によると、デハ230形の車両は29年から製造され、戦前、戦中、戦後を通じて主力車両として品川―横須賀駅間などで活躍した。78年に全車両が引退。晩年は川崎の京急大師線で使われた。

 同型の車両は、京急にもなく、修理・整備工場部門の京急ファインテック久里浜営業所に1代前の「デ1型」が保存展示されている。ほかには、東京都内の鉄道模型メーカーに1両あるという。京急は「川口のデハ236号は歴史的にも大変貴重なもの」と話している。

 移送のための作業は、来年4月ごろに開始するという。

最終更新:10/5(水) 10:32

埼玉新聞