ここから本文です

榕樹書林にパジュ・ブック・アワード特別賞 武石代表「沖縄の苦悩伝える」

沖縄タイムス 10/5(水) 16:35配信

 「アジアの出版文化を高め、アジアのアイデンティティーを実現するため」に東アジアの出版人や作品を顕彰する「パジュ・ブック・アワード」に選出された榕樹書林(宜野湾市)の武石和実代表が1日、韓国パジュ市を訪れ表彰を受けた。同市は世界に例を見ない出版関連企業が集まった広大な産業団地「パジュ出版都市」があることで知られている。

 同賞は日本、中国(大陸)、韓国、台湾、香港の出版業界の代表が国境を超えて共同で選出するもので、2012年に始まり今年で5回目。著作賞、企画賞、出版美術賞、特別賞の4部門からなり、榕樹書林は主に出版活動を対象とする特別賞を受賞。県内関係のブック・アワード受賞は全分野通じて初めて。

 選定理由として、琉球・沖縄の歴史・社会・文化に関する基本的な出版物の刊行を続けてきたことが評価された。さらに沖縄の出版界が「多様で活発な出版が繰り広げられて」いることも理由に挙げ、それを代表する意味合いもあったという。

 武石代表は「沖縄には歴史的にも現在でも、さまざまな問題と苦悩がある。その沖縄の実像を、出版を通して浮かびあげようとこれまで考えてきた。実像が東アジアに通じることを願っている」とあいさつした。著作賞には琉球史についての著作も持つ夫馬進氏(京都大学名誉教授)が「朝鮮燕行使と朝鮮通信使」(名古屋大学出版会)で受賞した。

 東アジア各地域の出版人が連帯し、共通の課題などを議論する場としては「東アジア出版人会議」がある。その結成10周年を記念した沖縄大会は11月14、15日に宜野湾市で開かれる。今回の受賞と同会議開催で、沖縄の出版物が世界に注目される契機となりそうだ。

最終更新:12/1(木) 22:40

沖縄タイムス