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住宅ローンの借り換えって、5年以下でも効果はあるの?

SUUMOジャーナル 10/5(水) 8:00配信

住宅金融支援機構が発表した「2015年度民間住宅ローン借換の追加実態調査」(対象は2015年11月~2016年3月に借り替えた259名)によると、借り換えまでの経過期間は「5年以下」が最多だったという。借りてから5年以下で借り換えても効果はあるのだろうか?

【今週の住活トピック】
「2015年度民間住宅ローン借換の追加実態調査」を発表/住宅金融支援機構

■「全期間固定型」「固定期間選択型」「変動型」いずれも、5年以下での借り換えが最多

民間で住宅ローンを借りる際の金利タイプには、35年などの返済期間を通して金利が変わらない「全期間固定型」、3年や5年、10年などの選択した一定期間だけ当初の金利が変わらない「固定期間選択型」、半年ごとに金利が見直される「変動型」の3タイプがある。

今回の調査結果では、借り換え前がいずれの金利タイプでも、経過期間「5年以下」が40%台で最多となっている。

住宅ローンを借りるときに諸費用がかかるが、借り換えるときにも諸費用はかかる。現行のローン契約を解除したうえで新たに契約し直すので、事務手数料のほかにも契約書に貼る印紙税、抵当権を抹消して設定し直す費用、ローン保証料(保証料不要の場合もある)などが必要になってくる。

諸費用を払ってまでも、5年以下で借り換えることにメリットはあるのだろうか?

【画像1】借り換えまでの経過年数(出典:住宅金融支援機構「2015年度民間住宅ローン借換の追加実態調査」)

■借り換え前後で同じ金利タイプを選ぶ傾向に

その前に、借り換え前と後の金利タイプの違いを確認しておこう。

低い金利のローンに借り換えて返済額や返済期間を削減したいとか、金利が少し上がってでも毎月の返済額を一定期間固定させたいとか、それぞれに借り換える目的があるので、実際に選ぶ金利タイプには違いが出てくるはず。

調査結果を見ると、借り換え前と後で同じ金利タイプを選ぶ傾向が強く見られた。例えば、対象の過半数を占める「固定期間選択型」では同じ「固定期間選択型」への借り換えが全体の41.2%を占め、次に多い「変動型」でも「変動型」への借り換えが17.9%、同様に「全期間固定型」から「全期間固定型」への借り換えは7.5%をそれぞれ占め、合計で66.6%が同じ金利タイプを選んでいる。

【画像2】借り換えによる金利タイプの変化(全体に占める割合)、赤枠が借り換え前と後で同じ金利タイプを選んでいる割合(出典:住宅金融支援機構「2015年度民間住宅ローン借換の追加実態調査」)

また、借り換えで「金利が低下」したのは全体の82.6%、「返済期間が短期化」したのは65.6%、「毎月の返済額が減少」したのは全体の66.0%という結果になっている。金利が下がる借り換えを行い、それを返済期間の短縮や返済額の減少に活かしている人が多いことが分かる。

■2011年 VS 2016年、5年以下でも借り換えの効果はある?

では、5年以下でも借り換えの効果があるのか、見ていこう。いずれも店頭金利ではなく、優遇金利が適用された場合の代表的な金利例で試算(元利均等返済)してみた。

2011年9月の変動型の代表的な金利は1.075%だった。2016年9月の変動型の代表的な金利は0.625%なので、0.45%の金利差がある。5年間金利が変わらなかった想定で3000万円を35年返済で借りた場合、毎月の返済額は8万5738円で、5年後のローン残高は約2637万円。

この額を金利0.625%の他行のローンに30年返済で借り換えると、毎月の返済額は8万350円に下がる。適用される金利がそれぞれ完済するまで続いたと仮定すると、毎月返済額の差額の5388円の30年分の193万9680円が総返済額で削減できることになる。

【画像3】借り換え前後の返済額の比較(変動型)(作成:住宅ジャーナリスト/山本久美子)

ただし、金融機関によって金額は異なるが、仮に借り換えの諸費用(返還された保証料を借り換え先の保証料に充てる想定)が45万円程度かかったとしても、約149万円の削減効果は生じる。つまり変動型の場合、5年前との金利差はわずかではあるが、借り換えの効果はそれなりにあると考えてよいだろう。

一方、全期間固定型の場合、日銀のマイナス金利の影響を受けて金利が大幅に下がっているので、借り換えの効果はもっと大きくなる。全期間固定型の代表格である【フラット35】で試算してみると、2011年9月の金利が2.26%であるのに対し、2016年9月の金利は1.02%と金利差が拡大する。
※【フラット35】は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携するローンで、金利は金融機関によって異なる。試算金利は最も代表的な金利のうち最低金利

変動型と同様に試算をしてみると、毎月の返済額の差額1万6265円の30年分の585万5400円が総返済額で削減でき、諸費用などを差し引いても約520万円もの削減効果が生じる。

また、固定期間選択型の場合は、借り換える時期だけでなく、固定する期間や金融機関によって金利の変動がかなりあるので、上手に選んで借り換えればやはり同じような効果が得られるだろう。

【画像4】借り換え前後の返済額の比較【フラット35】(作成:住宅ジャーナリスト/山本久美子)

かつては借り換え前後の金利差が1%あれば、借り換えで効果があるといわれていた。たとえ金利差がわずかであっても、残りの返済期間が長かったり、ローン残高が多かったりすれば削減効果が大きくなるので、借りてから5年以下でも削減効果が生じるといえるだろう。

ただし、希望の金融機関の金利タイプに借り換えできるか、諸費用がいくらになるかなどは、実際に相談にいってみないと分からない。借りてからも住宅ローンの金利や新しいサービスに常にアンテナを張って、返済中の住宅ローンのメンテナンスを怠らないことが大切だ。

山本久美子

最終更新:10/5(水) 8:00

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