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【コラム】miwaの新曲“結 -ゆい-”はすごい。「バラード」の概念そのものが変わる

RO69(アールオーロック) 10/5(水) 7:00配信

歌と音楽の存在意義が「人の心に作用して光を注ぐ」ことだとすれば、2016年10月5日(水)リリースのmiwaの最新シングル曲“結 -ゆい-”はまさにその最上級と言うべき楽曲だ。
それこそ“あなたがここにいて抱きしめることができるなら”などmiwaのバラード曲の訴求力とクオリティに関しては、ここで長々と解説するよりも今年1月にリリースされたコンピレーションアルバム『miwa “ballad collection” tour 2016 ~graduation~』が明快に証明しているが、“結 -ゆい-”のスケール感はさらに次元が違う。
これまで僕らが抱いてきた「バラード」という概念そのものを遥か遠くに置き去りにするようなパワフルな覚悟と包容力が、この壮麗な楽曲には確かに備わっている。

ご存知の通り“結 -ゆい-”は、2016年の「NHK全国学校音楽コンクール・中学校の部」課題曲としてmiwaが書き下ろした楽曲である。しかし、ここで歌われるフレーズの数々は、「この曲を合唱する中学生目線」に立って書かれたものというよりはむしろ、今この時代を生きるひとりのアーティストとして、この歌詞を歌う中学生へ向けた渾身の祈りである――ということを強く感じさせるものだ。

《どんなにがんばったって うまくいくわけじゃないけど/夢は描いた人しか かなえられないんだから》

《信じること/あなたの中に 眠ってる力が欲しいの/自分のため/だけじゃ乗り越えられないときが今あるから》

「信じる」「頑張る」という言葉に対しては訳知り顔で斜めに構えてみせるのがデフォルト、という時代の空気感に対して微塵も臆することなく、miwaは曲中で幾度も《僕たちはなにより強い絆で結ばれている》と揺るぎなく歌い上げている。
「応援歌アレルギー」とでも呼ぶべきメンタリティの持ち主にも、いやそういう人にこそ真っ向から響く楽曲であるために、miwaは全身全霊を傾けてポジティビティの高純度結晶のような歌を響かせてみせた。
そんな彼女の祈りが、中学生の情熱を傾けたコンクールの課題曲として歌われることで、実体を伴ったメッセージとして時代に刻まれていく……そんなマジックを持った楽曲であることを、彼女自身の歌のみならず、シングル『結 -ゆい-』の期間限定生産盤に収録された混声三部合唱バージョンとがくっきりと浮き彫りにしている。

「中学生って自分が思うほど子どもじゃないし、ずっと変わらないものもあるなあって思ったから、その時感じたことが今につながってるはずで、そこに気づいてほしくて。中学で自分のことを否定してたら、大人になってもずっとそれが続いちゃうから。中学の時から、ちゃんと信じてほしいなあって」

現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』11月号掲載のインタビューでも、miwaはこの“結 -ゆい-”という曲にこめた意志をはっきりと語っている。彼女が「中学生時代の自分」と向き合ったことで生まれたこの楽曲はもしかしたら、2016年という時代に対する最も鮮烈なプロテストソングにもなり得るのかもしれない。(高橋智樹)

RO69(アールオーロック)

最終更新:10/5(水) 7:00

RO69(アールオーロック)

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