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【コラム】原口は日本の救世主となれるか 最終予選2戦連発でレギュラー奪取目論む

SOCCER KING 10/5(水) 22:55配信

 2018 FIFAワールドカップロシア アジア最終予選の行方を大きく左右する第3戦・イラク戦(埼玉)がいよいよ明日6日に迫ってきた。日本代表は決戦の地・埼玉スタジアムで17時過ぎから最終調整を実施。25人全員で臨戦態勢に入った。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が「とにかくメンタルだと。それが違いを見せつけるんだと選手には言いました。(スタメンは)明日の昼までしっかり考えて最終的な決断をしようかなと思っています」と公式会見で語気を強めた通り、コンディション以上に強いメンタリティを前面に押し出せる選手を大一番のピッチに送り出す方向だという。

 となれば、やはり数々の修羅場を経験してきている本田圭佑(ミラン)、岡崎慎司(レスター)、長友佑都(インテル)が抜擢される可能性は高そうだ。香川真司(ドルトムント)が担ってきたトップ下は清武弘嗣(ハノーファー)が入る見通しだが、基本的には経験豊富な面々がスタメンに陣取ることになるだろう。

 そんな中、攻撃のキーマンとして大きな期待を寄せられるのが、9月のタイ戦(バンコク)で貴重な先制点を叩き出した原口元気(ヘルタ・ベルリン)だ。所属クラブで先発落ちを強いられる欧州組が続出する中、彼は8月28日のフライブルク戦からブンデスリーガで6試合連続出場中。攻撃陣でただ1人、気を吐いている状態と言っていい。走行距離とスプリント回数はチーム1を記録するなど、フィジカルコンディションのよさは折り紙つき。今や同じリーグの香川や長谷部誠(フランクフルト)以上に輝きを放っていると言ってもいい。

「今はベストコンディションベストだと思っています。他の選手がどうかは分からないですけど、僕はメンタルもコンディションもトップの状態で明日できるなと思っていますけどね。相手より強い気持ちを持ってプレーできれば、どう考えても技術的にも戦術的にも負けるところはない。どれだけ気持ちをプレーに乗せられるかでしょう。それは普段ヘルタでやっているんで自然に出ると思いますね」と彼は心身両面で絶好調な今の状態をそのままイラク戦のピッチ上で発揮するつもりだ。

 その彼に託されるのは、今回もゴールという結果に他ならない。9月のタイ戦の後、原口は「1点では(代表の)ポジション争いには勝てない。ドイツでもやっぱり突き詰めていくのはゴール。この仕事量を減らさずにゴール前で仕事をすること。大変ですけど、そこにトライしていきたい」と強調していた。その言葉通り、ヘルタ・ベルリンではアグレッシブさを強く押し出しているが、いまだに今季無得点。不完全燃焼感を強く抱いているはずだ。日本代表はその悔しさをぶつける絶好の場所。イラク戦では虎視眈々と2戦連発を狙っていくに違いない。

「ヘンな話、(フィニッシュは)一番自信のない部分(苦笑)。ゴール前のクオリティっていうのはやっぱり課題なんで。タイ戦は出ましたけど、明日とか今後、結果を出し続けて初めて自信とか実力に変わっていくので、何としても決めたい。その気持ちを強く持ってプレーしたいなと思いますね」と本人も自分に言い聞かせるようにコメントしていた。

 決戦の舞台が古巣・浦和レッズの本拠地・埼玉スタジアムというのは彼にとっての大きなアドバンテージだ。「ゴールはイメージしやすいスタジアムですし、決めたいですね」と原口自身も言うように、勝手知ったる庭のような場所なら得点確率も上がるだろう。加えて言うと、イラクは昨年6月の親善試合(横浜)で代表初ゴールを挙げたゲンのいい相手。この一戦で代表レギュラーを確実にする得点を奪えれば、まさに最高のシナリオだ。

「今回も(タイ戦と)同じ状況というか、点が取れなかったり、ぱっとしなかったら、すぐにベンチに戻る立場だと思っているので、もう危機感しかないです。でも危機感を持ってやっている時が一番結果が出るので、まあ、精神的にはいい状態かなと思います」と本人も前向きに語っていた。

 これまで清武、宇佐美貴史(アウグスブルク)、武藤嘉紀(マインツ)らと争い続けてきた左サイドアタッカーの定位置を確保することは、原口にとっての長年の悲願。彼自身も「左が一番自分らしさを発揮できる」と自信をのぞかせたことがあっただけに、宇佐美と武藤がいない今回は千載一遇のチャンス。ここで目覚ましい結果を残し、日本の救世主になってほしいものである。

文=元川悦子

SOCCER KING

最終更新:10/6(木) 11:29

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