ここから本文です

『ブレイブルー セントラルフィクション』語るは過去か未来か――森利道プロデューサーインタビュー

ファミ通.com 10/6(木) 0:02配信

文・取材:編集部 豊泉三兄弟(次男)

●「ストーリーは最後の最後まで楽しんでほしい」(森氏)
 本日(2016年10月6日)アークシステムワークスより発売となったプレイステーション4、プレイステーション3用ソフト『ブレイブルー セントラルフィクション』。本作は、2008年に第1作がアーケードで稼動して以降、約8年にわたってファンに愛され続けてきた人気対戦格闘ゲーム『ブレイブルー』シリーズの最新作だ。本作の発売によって、主人公のラグナを中心として描かれた“蒼の物語”がついにひとつの結末を迎える。そこで、シリーズの生みの親である森利道プロデューサーにインタビューを実施。発売を迎えた現在の心境と森氏が見据えるシリーズの未来について語っていただいた。

●すべてプレイしたうえで 感想を聞かせてほしい
──ついに発売を迎えたいまのお気持ちをお聞かせください。

森 発売はしたのですが、僕としては全部プレイしてもらった感想を聞いてからでないと終わったという気がしないんですよ。今回はストーリー的にひとつの完結を迎えていますので、ぜひ最後の最後まで見逃さずに遊んでほしいと思います。

──最後の最後までというと?

森 言葉の通りいちばん最後までです。僕が何を言いたかったのかが描かれています。そして、できれば前作『クロノファンタズマ』をプレイしておいてほしいですね。そうすれば、今回のエンディングの意味を理解しやすいかと思います。もちろん、ストーリーモードだけではなく、対戦部分や“グリムオブアビスモード”といった、ひとりでもやり込めるモードなど、内容が充実していますので、そちらもたっぷり遊んでいただいたうえでの感想を教えてほしいですね。

──ファンの感想は気になるんですね。

森 もちろんです。 今回はストーリーが完結するので、『セントラルフィクション』だけではなく、『ブレイブルー』というコンテンツ全体の感想が聞けるじゃないですか。感想を聞くことによって初めて、つぎはどんなことを始めようかということを考えられるんですよ。そうなってからようやく、ひと段落したと思える気がします。ちなみに、これは余談ですが、 格闘ゲームでここまでしっかりストーリーがエンディングを迎えたことはないと思っています。そう考えると、僕は格闘ゲーム史上、初めてのことをしたんじゃないかと。そのくらい自信のあるものを出したつもりです。

──ストーリーモードだけでもクリアーまで数十時間かかりますし、すべてのモードを遊ぶには相当な時間がかかりそうですね(笑)。

森 先ほども言いましたが、 モードが充実しているので、すべてを遊び尽くすのはかなりたいへんだと思います(笑)。 とりあえずは、ストーリーモードとネットワークモードを中心に遊んでほしいですね。

──ストーリーモードの話をもう少し掘り下げると、 プレイステーション4版は、 前作とは違い、フルHDに対応しているそうですね。

森 はい。 フルHD対応なので、 すごくキレイになっていますよ。対応させるためにイラストなどの絵素材をすべて作り直しているので、 グラフィックスタッフには相当な無茶をお願いしました。本当にごめんなさいという感じです(笑)。

──東京ゲームショウ2016のステージで、ストーリーモードの前にアーケードモードをプレイしてほしいとコメントされていましたが、その意図は?

森 アーケードモードは各キャラクターの視点でプロローグが描かれていますので、ぜひそちらから遊んでほしいんです。とくに新キャラクターのEsは、アーケードモードからプレイするのをオススメします。あとは、有料ダウンロードコンテンツとして後日配信されるマイもアーケードモードは注目です。 おそらく、 全キャラクターでいちばん充実した内容になっていますから。

──ストーリーモードには、 恒例のギャグシナリオもあります。

森 メインシナリオの進行具合に応じて、サブシナリオとギャグシナリオが解放されていきます。サブシナリオは、メインシナリオと別のキャラクターの視点で物語を楽しめます。ギャグシナリオはいつも通りはっちゃけているので、シリアスなメインシナリオを終わらせてからプレイしていただければ。

──ではつぎに、 ネットワークモードで注目してほしいポイントはありますか?

森 ゲームセンター感覚で遊べるオンラインロビーや勝敗によって段位が変動するランクマッチなど、 おなじみのモードは収録してあります。 自分のスタイルに合ったモードで遊んでいただければいいのですが、自分の部屋を作れる“マイルーム”はぜひ見てほしいですね。マイルームに設置できる家具などのアイテムは、スタッフのがんばりで相当数を用意できましたので、自分好みの装飾を施したマイルームを作って楽しんでいただければ。

──アイテムの数が多いので、個性的なマイルームが作れそうですね。そのほかに注目のモードはありますか?

森 ディレクターの石川(石川辰則氏)が力を入れていた“グリムオブアビスモード”はひとりで遊びたいという人にオススメです。キャラクターを強化しながらバトルを進めていくのですが、 かなりぶっ飛んだ性能を持ったキャラクターが作れるので、 通常の対戦モードとはひと味違った闘いが楽しめるはずです。もうひとつは、チュートリアルモード。

──キャラクターがフルボイスで、 基礎から学べるモードですよね?

森 はい。前作にもあったモードなのですが、今回もキャラクターの掛け合いが相当おもしろいですよ。基礎なんか学ぶ必要がないというような上級者の方も、ぜひ一度遊んでほしいですね。そのくらいおもしろいです。

──開発でいちばん苦労したところは、どこでしょうか?

森 やっぱりキャラクターの数ですね。 シリーズを重ね、 いまでは30体以上いますので、バトルバランスの調整は相当苦労しました。どこかひとつをいじるだけでも、×30以上の作業がありますからね。 それでいて今回は、マイルームやオンラインロビーなど、 イチから作り直している部分も多いですし、アーケード版も前例がないくらいのボリュームでしたから、スタッフのがんばりには本当に感謝しています。

●もっとも印象に残る作品は『クロノファンタズマ』
──シリーズ完結ということで、過去作も含めていちばん印象に残っているタイトルはどれですか?

森 どれが印象に残っているかと聞かれると、僕の場合はラグナで始まってラグナで終わるという『ブレイブルー』シリーズ全体を通した物語をひとつとして考えているので、どれというのはありません。ですが、思い出に残っている作品としては、シリーズの立ち上げである第1作『カラミティトリガー』は当然なのですが、『クロノファンタズマ』がいちばん思い出深いですね。そこがシリーズの転換期だったと思うんです。ノエルの衣装を変えてみたり、キャラクターを一気に増やしたり、それに僕が全キャラクターのイラストを描きましたし。さらに、バトルシステムもガラっと変えたじゃないですか。

──確かにキャラクターがすごく増えましたし、アズラエルやアマネなど、どのキャラクターも個性的でした。

森 開発者としてもそのころから、『ブレイブルー』というゲームのシステムに本当に合ったキャラクターを作れるようになったんですよ。

──ストーリーも一気に進みましたよね。

森 『クロノファンタズマ』からクライマックスへ向けて物語が加速していきますからね。それに、 キャラクターごとのシナリオを用意するのではなく、1本のメインシナリオを進める形にしたので、ゲームとしても遊びやすくなったと思うんです。

──そこまで大きく変えることができた要因というのは何なのでしょうか?

森 『コンティニュアムシフト』から『クロノファンタズマ』は、 期間に余裕があったのでいろいろな準備ができたんですよ。それもあってゲーム内容もそうですし、 舞台やアニメ、小説など、 メディアミックス展開も多岐にわたって行えたんだと思います。

──ストーリーは完結しましたが、 続編はもう出ないのでしょうか?

森 それはストーリーモードをプレイしてみればおわかりいただけるかと思います。Esやナオト、ハザマ、レリウスらが意味深なことを言っていますし……とにかくプレイしてみてください。

──では、 今後アップデートでバトルバランスの調整などは行われるのでしょうか?

森 ストーリーが終わったからと言って、 いきなり格闘ゲームとして終わらせるつもりはありません。バランス調整はいずれしたいと思っていますし、 要望があればキャラクターの追加も行いたいと考えています。

──なるほど。ということは、いわゆる完全版に当たる『エクステンド』がいずれ発売されるのでしょうか?

森 今回は『エクステンド』は発売いたしません。『セントラルフィクション』をできるだけ長く遊べるコンテンツにする予定です。

──では少し気が早いのですが、『ブレイブルー』が完結した森さんのつぎの作品は、 どのようなものに?

森 『ブレイブルー』とまったく関係のない、格闘ゲームでもない完全新作を作る気満々です。もう少し自分がゲームシステムに関わりたいので、それを踏まえた作品を作りたいですね。『ブレイブルー』も立ち上げのときはシステム面に深く関わっていて、当時の格闘ゲームの常識を壊そうという気持ちでやっていましたから。もし、将来的に格闘ゲームを作ることがあるなら、また格闘ゲームの常識を覆すようなものを作りたいですね。

──最後に、 ファンへのメッセージをいただけますか?

森 本作はとにかく長い間遊んでもらおうと思って作ったゲームです。 そのくらい内容も充実していますので、ぜひよろしくお願いします。僕もオンラインロビーをウロウロしますので、対戦してくれたらうれしいです。


※週刊ファミ通2016年10月20日号(2016年10月6日発売)では、発売記念特集&ファミ通コラボDLCを掲載!(※ファミ通コラボDLCの詳細はこちら)

ブレイブルー セントラルフィクション
メーカー:アークシステムワークス
対応機種:プレイステーション4 / プレイステーション3
発売日:2016年10月6日発売
価格:各6800円[税抜](各7344円[税込])
ジャンル:対戦格闘

最終更新:10/6(木) 0:02

ファミ通.com

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

失うことで不完全さの中に美を見出した芸術家
画家のアリッサ・モンクスは、未知のもの、予想しえないもの、そして酷いものにでさえ、美とインスピレーションを見出します。彼女は詩的で個人的な語りで、自身が芸術家として、そして人間として成長する中で、人生、絵の具、キャンバスがどう関わりあってきたかを描きます。 [new]