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そこそこスペックでお手頃価格――さまざまなシーンで活躍する15.6型ノートPC「Critea DX11-H3」を試す

ITmedia PC USER 10/6(木) 0:10配信

 サードウェーブデジノスの「Critea DX11-H3」(以下「DX11-H3」)は、Core i3-6100Uプロセッサ(2.3GHz)を搭載する15.6型ノートPC。一見すると何の変哲もない、“ふつう”のノートPCだが、標準構成で5万9800円(税別、以下同)から購入できるというコストパフォーマンスの良さだけではなく、いろいろと見どころがある面白い機種だ。さっそく、チェックしていこう。

【最近省かれがちなあの端子も】

●充実のポート群:アナログRGBも装備

 DX11-H3は、パーソナル(個人)用途とビジネス(仕事)用途の双方を想定した製品となっている。それが一番よく現れているのが、本体に備わるポート類のラインアップだ。

 本体の左側面を見ると、電源入力、Ethernet端子(1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T)、アナログRGB端子、HDMI端子(HDMI 1.4準拠)とUSB 3.0端子×2が並んでいる。ここで特に注目したいのが、アナログRGB端子だ。

 昨今のパーソナル向けノートPCでは、アナログRGB出力が省略されることが珍しくなくなった。一般家庭にあるデジタルテレビには、ほぼ例外なくHDMI端子が備わっているからだ。しかし、ビジネスユースも意識すると、ディスプレイやプロジェクターでアナログRGBはまだまだ現役。パーソナル・ビジネス両にらみの結果、DX11-H3はアナログRGB端子を省かず搭載したのだ。

 ただし、アナログRGB出力とHDMI出力は“排他”となる。「アナログRGB+HDMI+本体でトリプルディスプレイ!」という夢はかなわない。そもそも、DX11-H3はそのような使い方を想定するようなユーザー向けではない、という話もあるが……。

 右側面には、イヤフォンマイク端子、USB 2.0端子、光学ドライブが並んでいる。USB 2.0端子は、左側面にあるUSB 3.0端子を犠牲にせずに外付けマウス・キーボードを接続する上で役立つはずだ。光学ドライブは、標準構成ではDVDスーパーマルチドライブを備えているが、構成カスタマイズでBD-RE書き込みに対応するBlu-ray Discドライブに変更することもできる(8680円増し)。映像の書き出しや、データのバックアップにおいて光学ドライブを利用するシーンが多いユーザーにはうれしいだろう。

 正面を見ると、左側にLEDインジケーター(電源、バッテリー、ストレージ)とSDメモリーカードスロット(SDXC対応)がある。SDスロットのおかげで、デジタルカメラで撮影した写真のバックアップ・整理も容易にできる。別途microSDアダプターを用意すれば、AndroidやWindows 10 Mobileを搭載するスマートフォンとのデータのやりとりにも使える。

●メモリとストレージ:標準構成で不足ならカスタマイズOK

 PCで何をするかにもよるが、メモリとストレージはPCの快適性を大きく左右する要素だ。DX11-H3の標準構成では、メモリは4GB×1(DDR3L SO-DIMM)、ストレージは500GBのHDD(5400回転/分)を搭載している。比較的オーソドックスといえる。

 しかし、筆者のように画像・動画の処理をする場合、4GBでは容量的に心もとない。そのような場合、空いているメモリスロットにメモリを増設できる。メモリの増設によって、メモリへのアクセス速度を向上する「デュアルチャネル」を利用できるようになるため、単にメモリ容量が増える以上のパフォーマンス改善も期待できる。

 なお、メモリ容量・枚数は購入時にカスタマイズ可能だ。使い方に応じて、最大で16GB(8GB×2)まで搭載できる。また、ストレージも購入時にカスタマイズできる。容量重視でより大容量なHDDを選択したり、読み書き速度重視でSSDを選択したりもできる。M.2 SSDとSATAポートのHDD/SSHD(ハイブリッドHDD)/SSDを併載する構成も可能だ。

●ディスプレイ:目に優しいノングレア液晶を採用

 DX11-H3のディスプレイは、WXGA(1366×768ピクセル)のノングレア(非光沢)液晶だ。HD(1280×720ピクセル)画像・動画を解像度を損なうことなく見ることができる。

 先述の通り、このモデルはパーソナルとビジネスの双方を想定している。特にビジネスにおいては、長時間画面を見て作業することが多い。パーソナル向けモデルで採用例の多いグレア(光沢)画面では、画面に映り込みが入りやすく、作業への集中が途切れてしまう可能性もある。“両にらみ”だからこそ、ノングレアにしたと見てよいだろう。

 なお、DX11-H3において、画面解像度・液晶の種類のカスタマイズはできない。フルHD(1920×1080ピクセル)液晶を希望する場合は、液晶以外のスペックが共通の兄弟機「Critea DX11-F3」(標準構成価格6万2800円)の購入を検討しよう。

●キーボード:テンキー付きで表計算がはかどる しかし……

 15型以上の大きなディスプレイを持つノートPCは、デスクトップPCの代替としての側面を持っている。そのため、昨今では本体キーボードにテンキーを付けている機種が増えた。DX11-H3もご多分に漏れず、テンキー付きの日本語キーボードを備えている。特に、表計算ソフトを多用するユーザーにはうれしい装備だ。

 ただし、テンキーが装備されていることから、ディスプレイに対して、キーのホームポジションが左側ずれてしまう。テンキーのないノートPCから乗り換えると、しばらくの間は違和感があるかもしれない。もっとも、これはDX11-F3に限らず、全てのテンキー付きノートPCに共通する問題点である。比較的すぐに慣れるとは思うが、留意しておきたい。

 タッチパッドはSympatics製のものを搭載している。本体サイズを生かして大きめのサイズとなっているので、操作は快適そのものだ。

●電源まわり:バッテリーは家庭内・社内利用に十分

 先述の通り、大画面のノートPCはデスクトップPCの代替で使われることが多い。その理由の1つとして、バッテリーがUPS(無停電電源装置)の代わりとなることが挙げられる。作業中のデータを停電で損なうリスクを限りなくゼロにできるからだ。もちろん、家の中や社内での移動や会議の時にコードレスで使えるという利点も見逃せない。

 DX11-H3は、定格容量38Whのリチウムイオンバッテリーを付属している。バッテリー駆動時の連続稼働時間は、メーカー公称値で4.9時間だ。

 しかし、メーカー公称値は実利用環境における稼働時間と乖離(かいり)することも珍しくない。そこで、ベンチマークテスト用ソフト「bbench 1.01」を使って、実利用環境により近い環境でテストしてみることにした。テスト時の本体(OS)側の電源設定は標準設定の「バランス」にした上で、液晶輝度を最大とした。bbenchの設定は標準通り(60秒間隔でのWebサイト表示、10秒間隔でのテキスト入力)とし、Web接続は無線LAN(Wi-Fi)で行った。

 バッテリー残量が5%になる(バッテリー切れで強制的に休止状態になる)までにかかった所要時間は2時間28分17秒となった。メーカー公称値の半分近くになったが、液晶輝度を上げたことを考えるとこんなものだろう。UPS代わりはもちろん、家庭内・社内で持ち運ぶ用途には十分といえるだろう。

 ACアダプターは比較的コンパクトなものが付属する。ただし、コネクターがアース端子付きの「ねずみ型」であるため、ACコードも若干太めで、持ち運びの際に若干かさばる。次世代機が出る際には、コードをもう少し細くしてもらえるといいのだが……。

●パフォーマンス:何でもそこそこ快適

 冒頭で述べた通り、DX11-H3はCore i3-6100Uプロセッサ(2.3GHz)を搭載している。今回レビューした個体は、メモリこそ標準の4GB×1構成だが、ストレージは128GB M.2 SSD(A-DATA製の「SP900NS38」)にカスタマイズされている。

 では、この個体のパフォーマンスはどれほどのものか、複数のベンチマークテストプログラムで計測してみよう。

総合ベンチマークテスト・CPUベンチマークテスト

 まず、ビジネスや家庭での普段使いの性能を確かめるために「PCMark 8」の「Work Accelarated 2.0」と「Home Accelarated 3.0」を実施した。スコアはそれぞれ「4192」「3076」となった。プロセッサの性能を測るために「CINEBENCH 15」で行ったテストでは、CPUのマルチコア性能は「250cb」、シングルコア性能は「98cb」を記録した。一般的なビジネスユース、ホームユースでは十分な性能を有しているといえる。

3Dグラフィックベンチマークテスト

 続いて、本機の本来的な用途ではないだろうが、3Dグラフィックス周りのベンチマークテストも取ることにする。

 まずは、「3DMark」の「Sky Diver」と「TIME SPY」で計測してみた。結果はそれぞれ「2912」「257」となった。前者はDirectX 11、後者はDirectX 12のグラフィックを試すためのテストだが、いずれも見るからにカクカクな描画で、動作はかなり厳しい。

 ただし、今回はメモリを1枚のみ搭載するシングルチャネル構成だったので、これをメモリ2枚のデュアルチャネル構成にすればスコアは若干改善すると思われる。

 実際の3Dゲームを想定したベンチマークテストもしてみよう。利用したのは「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド・ベンチマーク」(スクウェア・エニックス)だ。Direct X9モードで、ディスプレイの解像度とほぼ同じ1360×768ピクセル・フルスクリーンモードにおける「標準品質(ノートPC)」「高品質(ノートPC)」の描画テストを実施した。結果は以下の通りだ。

・標準品質:2878(やや快適)
・高品質:1739(設定変更を推奨)

 こちらも、メモリの構成を変更すればもう少しスコアが改善すると思われる。しかし、外付けディスプレイへの出力時も含めて、ゲームプレイに当たって高解像度・高クオリティを求めるのはかなり厳しいだろう。

ストレージベンチマークテスト

 先述の通り、今回のレビュー個体は、ADATA製のM.2 SSD「SP900NS38」の128GBモデルを搭載しており、内部的にSATA(AHCI)で接続されている。

 「CrystalDiskMark」でベンチマークテストを実施したところ、シーケンシャル(連続)のリードが392.4MB/秒、ライトが173MB/秒となった。読み込み速度は十分に高速だ。書き込み速度が若干振わない印象もあるが、HDDと比較すれば速いことは間違いない。

●まとめ:何でも「そこそこ」なノートPCが欲しい人におすすめ

 Critea DX11-H3は、Core i3プロセッサを搭載しながらも標準構成で6万円を切るコストパフォーマンスのよいノートPCだ。「ハイエンドな性能は不要だけれど、何でもそこそここなせるスペックは欲しい」という人にぜひお勧めしたい。無線LANがIEEE 802.11acに対応していることも見逃せない。2×2 MIMOに対応するルーターと組み合わせれば、最大867Mbps(理論値)で通信できる。

 もしも構成に物足りない部分があれば、メモリやストレージをカスタマイズできる点も魅力だ。「無駄なく、自分好みな、そこそこのノートPC」としてぜひお勧めしたい。

最終更新:10/6(木) 0:10

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