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クマ出没増、行楽シーズンで秩父など注意 クマに遭遇時の対処法は?

埼玉新聞 10/6(木) 7:20配信

 今年に入り、秩父地域などでクマの出没が多発している。クマによる人の負傷事故が今年は既に2件発生。埼玉県内の負傷事故は過去10年間で計2件しかなく、本年度は突出している形だ。県の統計によると、クマの出没件数は隔年ごとに増える傾向があり、傾向通りなら本年度は多い年度に当たる。クマは冬眠前の秋に、餌を求めて行動範囲が広がり人里に出没することも。紅葉狩りや登山など秋の行楽シーズンが本格化し、県などは注意を呼び掛けている。

 県みどり自然課によると、8月末現在、県内のクマの出没件数は40件(2015年度同期比31件)で、15年度1年間の36件を既に超えている。月別では、4月が3件、5月が10件、6月が8件、7月が9件、8月が10件。クマは秩父市や小鹿野町など県北西部の山間部を中心に生息しているという。秩父市での目撃情報は27件(9月29日時点)で、15年度の17件を既に超えた。

 5月23日には小鹿野町の両神山の登山道で、男性が後方から体長約1メートルの子グマに襲われて転倒し、顔などを爪で引っかかれて軽傷を負った。8月7日には秩父市荒川上田野の若御子神社近くの遊歩道でハイキングをしていた男性が洞穴をのぞいたところ、中から出てきた体長約1メートル50センチのクマに襲われ、クマと共に崖から転落しけがを負った。

 さらに9月1日、秩父市大滝の県立大滝げんきプラザで、敷地内に設置したおりのわなでツキノワグマが捕獲された。げんきプラザは屋外にあるごみ集積場が荒らされたため、わなを設置していたという。クマは地元猟友会によって殺処分された。

 同課は8月11日の「山の日」に合わせて注意を呼び掛けるチラシ700枚を作製し、秩父市や小鹿野町などの山道入り口などで配布。秋の行楽シーズンに向けて6千枚作製し、駅や観光案内所などに置いて注意喚起している。

 県内のクマ出没件数は隔年ごとに増減があり、傾向通りなら本年度は多い年に当たる。県環境科学国際センター自然環境担当の角田裕志さん(37)によると、隔年ごとに増減する理由ははっきりと分かっていない。ただ、餌となるドングリが凶作なら、クマは冬眠前の秋に餌を求めて行動範囲が広がり、人里に出没することもある。角田さんは「ハイキングやキノコ狩りなどで山に入ることも多くなる時期。行く前に自治体の情報などを確認してほしい」と話す。

 同課によると、クマと出合わないようにするには「クマ鈴」や手をたたいて音を出すなど、自分の存在を知らせることが重要。出合ってしまったら、大声を出したり走って逃げたりせず、ゆっくり後退してその場から離れることが大事という。同課は「まずはクマに出合わないことが一番」と注意を呼び掛けている。

最終更新:10/6(木) 7:20

埼玉新聞