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原産地表示 全加工食品 義務付け 例外規定に賛否 国が素案

日本農業新聞 10/6(木) 7:00配信

 加工食品の原料原産地表示を巡る議論が大詰めを迎えている。農水省と消費者庁は5日、有識者検討会で、全ての品目に原産地の表示を義務付ける素案を提示。原料の調達先が複数にまたがる場合の例外規定も盛り込んだ。詳細な情報開示を求める消費者・生産者団体とコスト負担を懸念する事業者側、双方の意見を踏まえた「実行可能性」で着地点を探る考えだ。ただ、会合では慎重な声も根強いため、秋の中間取りまとめに向けて双方の合意形成が焦点になる。

 環太平洋連携協定(TPP)では、食品の輸入も増えるとみられる。生産者や消費者らからは、国産原料の商品を選択できるよう、原料原産地表示の対象拡大を求める声が上がっていた。

 国が同日示した素案によると、製品に占める重量割合が最も大きい原材料には原則、原産国の表示を義務付ける。2カ国の場合は、重量の多い順に列記、3カ国目以降を「その他」で表示できる。外食や弁当の製造直売、ばら売り・計り売りのように容器包装を伴わないもの、試供品などは対象外となる。

 また、同じ加工品でも複数国から仕入れたり、原料の調達先が頻繁に切り変わったりしても誤表示にならないよう、「可能性表示」や「大くくり表示」できる例外規定を設けた。

 食肉加工品では「豚肉(カナダまたはアメリカ)」のように、販売期間中に使う可能性がある国を並べて表示できる。産地の切り替えが3カ国を超える場合は「豚肉(輸入)」と大くくりで表示でき、時期によって国産原料と輸入原料が切り替わる場合は「豚肉(輸入または国産)」の表示も認める。いずれも、消費者に正しい情報を伝えるため、過去の取り扱い実績、使う予定に沿った順番であることを欄外に注意書きするルールも決めた。

 素案は「実行可能性」をキーワードに各委員の意見を集約して作成。同日の会合で表示の義務付けにはおおむね賛同を得たものの、消費者委員からは、例外を多く設けることで制度の実効性に疑問を呈する声や「事業者寄りだ」との批判も出た。座長の森光康次郎お茶の水女子大学大学院教授は「100点とは言えないが、素案の根幹を変えず、取りまとめに向けて精査を急ぎたい」と話した。

 現在、加工食品の原料原産地表示を義務付けているのは22食品群と4品目で、全体の21.2%。対象拡大は政府が6月の成長戦略にも盛り込み、TPP対策の一環と位置付けている。

日本農業新聞

最終更新:10/6(木) 7:00

日本農業新聞