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シーテックで見えてきたニッポン電子部品の新たなチャンス

ニュースイッチ 10/6(木) 8:31配信

「温度」「振動」「角度」の要素技術がさらに進化

 テーマをIoT(モノのインターネット)へシフトした“新生シーテック”。電子部品メーカー各社も性能だけでなく、IoTサービスを見据えた機能を訴求している。特に今回は顧客層に変化があり、セットメーカーが中心だった従来と比べ、ベンチャー企業やサービス企業などの顧客が増加。「温度」や「振動」、「角度」など要素技術を求める声が増えている。IoTの広がりに伴い、顧客層やニーズが多様化しており、各社も新しい成長モデルを模索している。

 アルプス電気が開発した触覚デバイス「ハプティックトリガープラス」は、コップに水が注がれる触圧や温度を再現した。320ヘルツと160ヘルツの高・低周波の振動を組み合わせたリアクターやアクチュエーター制御により、複数の感覚情報を構築し指に感触を伝えている。2017年に商品化を予定し、将来は外科手術のシミュレーションや体感ゲームなどへの利用を見込む。

普段は黒子役も存在感高まる

 村田製作所は自動車向けの新展開として、実際の道路交通網を対象にした実証実験の概念「トラフィックカウンターシステム」について、街の模型を使って紹介した。信号機や道路標識に取り付けた無線センサーノードを使い、交通量データなどを収集しクラウドと連携する。

 積層セラミックコンデンサー(MLCC)などの電子部品事業を展開する村田にとって、データソリューション展開は初めての試み。早期の事業化につなげたい考えだ。

 現在は渋滞情報などを収集して地図製作事業者などと連携している。今後は二酸化炭素(CO2)濃度などの環境情報も取得できるようにし、ソリューションの幅を広げていく。

 ロームは折り鶴型の飛行体「ORIZURU」の飛行デモを行い、会場を沸かせた。グループのラピスセミコンダクタ(横浜市港北区)が開発した電子工作ボード「ラズライト・フライ」を頭脳にし、気圧・加速度・ジャイロセンサーやサブギガヘルツ帯無線通信モジュールを搭載して制御する。

 電子部品の小型化・軽量化を追求し、従来できなかったデバイスへの展開を後押しする狙いだ。センサー機能に加え、4枚羽とするなど構造も改良し「姿勢制御」を強化した飛行が可能となった。

 操作方法も無線センサーを操縦者の腕に取り付ける方式を採用。腕を上下左右に動かすことでORIZURUが上昇したり旋回したりするといった、より感覚的な操作を実現した。

 一方、TDKはバランスボードに磁気抵抗効果を応用したTMRセンサーを搭載し、左右の傾きを数値化する技術を紹介。計測精度は角度誤差プラスマイナス0・6と最高クラスを実現した。太陽誘電でもサービス分野で「においセンサー」の応用を進める。

 すでに、人間がガムをかむ前後で変わる口臭などを感知できる技術を確立。呼気診断でコレステロール成分の測定や未病検出など医療分野での実用化を見据える。

 普段は黒子に徹している電子部品各社にとって、シーテックは「部品によって何ができるか」を表現できる場。今後も電子部品の可能性を“感覚的”に示すことが、各社の活路につながりそうだ。

最終更新:10/6(木) 8:31

ニュースイッチ

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