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講演 急増する空き家とこれからのまちづくり 佐賀

佐賀新聞 10/6(木) 13:30配信

自治体の理想掲げ対策を 講演要旨を紹介

 佐賀新聞社が主催する佐賀政経懇話会、唐津政経懇話会(9月20、21日)で富士通総研経済研究所の米山秀隆主席研究員(53)が、「急増する空き家とこれからのまちづくり」と題して問題の原因や自治体の対策について講演した。講演要旨を紹介する。

日本は「使い捨て型」

 日本で空き家が急増する原因は、中古住宅の循環モデルが諸外国に比べて整っていないことが大きい。アメリカでは所有者が家を補修し、中古住宅としての価値を維持して次の所有者に売却する流通モデルがある。一方、日本では「使い捨て型」と言われ、新築住宅の補修をせず、家を売るという発想があまりない。家は代々家族で引き継いでいくものという日本人特有の価値観が根底にあるのだろう。

制度上でも空き家として残した方が得

 もっと大局的な視点で考えると、人口減少や高齢化、核家族化、現行の法制度も空き家が増長する要因といえる。制度上は、敷地に建物を残しておいたほうが固定資産税が6分の1になる。住まなくなった家を空き家として残した方が得する仕組みになっている。

佐賀県の空き家率、全国平均より下

 2013年の統計によると、全国の空き家率は13・5%でこれからも増え続けるリスクがある。昨年施行された「空き家対策特別措置法」が歯止めになることを期待する。佐賀県の空き家率は12・8%で全国平均より低く、同程度の人口や経済規模の高知県や鳥取県よりも低い。自治体のサポート体制などが充実しているのだろう。

理想を持って

 自治体の空き家問題への対応については、どのような町にしたいかという理想を持って、それを実現する手段として策を講じるべきだ。

「住みたい田舎ランキング」で人気の大分県竹田市では

 75歳以上の後期高齢化率が25・2%で全国1位の大分県竹田市は高齢化を止めるために、若い世代と現地の高齢者が手を取り合い共生するイメージを持っていた。都会にいるスローライフや田舎暮らしに憧れる人たちに狙いを定め、移住の相談窓口の開設や現地人との橋渡しになる相談員の設置、お試しで短期間だけ暮らすことのできる制度などを設けている。14年までに120世帯を超える移住を実現した。今では全国の「住みたい田舎ランキング」でベストテンに入る人気だ。

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最終更新:10/6(木) 13:30

佐賀新聞