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放射線治療で窓口開設 金大病院、「粒子線」の相談外来

北國新聞社 10/6(木) 3:27配信

 金大附属病院は今月、最先端のがん放射線治療「粒子線治療」の相談外来を石川県内で初めて開設した。治療を実施するのは特殊な設備を備えた県外の医療機関に限られる中、4月に小児がんなど一部について保険適用になり、「先進医療」として肺がん治療などに採用されるケースも出てきたため窓口を設けた。身近な専門医が治療すべきか判断し、患者が遠くまで相談に足を運んだりする負担を軽くする。

 粒子線治療は従来のエックス線治療に比べ、がん細胞をピンポイントでたたき、副作用も少ないとされる。水素の原子核(陽子)を利用する「陽子線治療」と、炭素イオン線を加速して患部に照射する「重粒子線治療」がある。

 現在、陽子線治療は福井県立病院陽子線がん治療センターなど11施設で、重粒子線治療は放射線医学総合研究所重粒子医科学センター(千葉県)など5施設で実施している。県内の患者が治療を受けられるか確認するには、これらの施設に出向かなければならなかった。

 金大附属病院は放射線治療科に「粒子線相談外来」を設け、医療機関から紹介のあった患者を月曜日と水曜日の午後に診察する。陽子線治療は小児がん、重粒子線治療は手術が難しい骨や筋肉などにできる骨軟部腫瘍で保険適用になり、主治医から提供を受けたチェックシートでがんの大きさ、位置などを確認して治療に適合するか精査する。

 粒子線治療は「切らずに直す夢の医療」として期待が高まっており、現在は保険適用外となっている肺がんや肝がん、前立腺がんなどにも取り入れられる事例がある。ただ、治療費は200万~300万円と高額な上、患者は遠方の医療機関に通う負担も加わるため、相談外来では費用に見合った効果を得られるのかについても見極める。

 放射線治療科長の熊野智康医師は「身近で専門医の意見を聞くことのできる窓口をつくることで、患者の肉体的、精神的、金銭的な負担を軽くしたい」と話した。

北國新聞社

最終更新:10/6(木) 3:27

北國新聞社