ここから本文です

再生可能エネルギー50万kWへ、関西電力が3カ所目の風力発電に

スマートジャパン 10/7(金) 9:25配信

 関西電力が風力発電所の建設を予定している場所は、大分市と臼杵市(うすきし)の市境にある。海流の速い豊後水道に突き出た佐賀関半島の中央を貫く長い尾根だ。「関あじ」や「関さば」で知られる地域で、陸上・洋上ともに風況に恵まれている。

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の風況マップによると、関西電力が風力発電所を建設する尾根の一帯は年間の平均風速が6メートル/秒を超える。一般に風力発電は平均風速が5.5メートル/秒以上の場所が適している。

 計画では尾根に沿って最大16基の大型風車を設置する。風車1基あたりの発電能力は2000~3000kW(キロワット)で、全体では最大で3万2000kWを予定している。建設に先立つ環境影響評価の手続きを10月4日に開始した。順調に行けば2019年に手続きを完了して工事に入ることができる。運転開始は2021~2022年になる見通しだ。

 関西電力は発電量を検討中だが、風力発電の標準的な設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)を20%として計算すると、年間に5600万kWh(キロワット時)の電力を供給できる。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して1万5600世帯分に相当する。臼杵市の総世帯数(1万5000世帯)を上回る規模になる。

 これまでに関西電力はグループ会社の関電エネルギーソリューションを通じて2カ所の風力発電所を建設・運営している。兵庫県の淡路市で「淡路風力発電所」(6基、1万2000kW)を2012年に運転開始したのに続いて、愛知県の田原市で「田原4区風力発電所」(3基、0.6万kW)を2014年に運転開始した。いずれも海に近い風況の良い場所である。

兵庫県で木質バイオマス発電所も建設中

 関西電力は古くから稼働している水力発電所を含めると、グループ全体で165カ所に再生可能エネルギーの電源を展開している。発電能力を合計すると833万kWになり、年間に138億kWhの電力を供給できる。

 2016年4月に策定した「関西電力グループ中期経営計画」の中でも、2025年に向けて原子力の再稼働と合わせて再生可能エネルギーの開発に積極的に取り組んでいく姿勢を明確にした。従来からの大規模な水力発電所を除いた再生可能エネルギーの電源(太陽光・風力・中小水力・地熱・バイオマス)だけで2030年に50万kWの規模に拡大する目標だ。

 風力では秋田県の能代港・秋田港の沖合で計画中の洋上風力発電にも共同出資者として参画した。バイオマスでは兵庫県の朝来市(あさごし)に木質バイオマス発電所を建設中で、2016年12月に運転を開始する予定だ。地元の森林組合と連携して、地域の未利用木材から発電用の燃料チップを製造する工場も併設する。

 関西電力は再生可能エネルギーの拡大を通じてCO2(二酸化炭素)の排出量を削減する狙いだ。電力業界全体で2030年のCO2排出係数(電力1kWhあたりのCO2排出量)を0.37kg-CO2/kWhまで低減する目標を掲げている。関西電力のCO2排出係数は2015年度に0.50kg-CO2/kWhだったことから、2030年までに26%減らす必要がある。

 同様にCO2を排出しない原子力発電所を再稼働できれば目標達成に近づくが、想定どおりに進んでいないのが現状だ。引き続き原子力を取り巻く環境は厳しく、CO2排出量の削減には再生可能エネルギーの開発が欠かせない。

最終更新:10/7(金) 9:25

スマートジャパン