ここから本文です

【インタビュー】グリーン・デイ「バンドを始めて、オリジナルの曲を書いてくれ!」

BARKS 10/7(金) 18:13配信

グリーン・デイが、10月7日に通算11枚目となるアルバム『レボリューション・レディオ』を世界同時発売した。通算7,500万枚以上のレコード・セールスを誇り、グラミー賞に5回輝く彼らの最新作だ。期待度は計り知れない。今回BARKSでは、ビリー・ジョー・アームストロングにせまったオフィシャルインタビューをお届けしたい。彼の言葉からは、パンクが、社会が、よく見えてくる。

◆グリーン・デイ 新作MV映像

  ◆  ◆  ◆

■ 政治的なことを書く時も
■ ラブ・ソングを書く時と同じ場所から生まれる必要があるんだ

──ニュー・アルバム『レボリューション・レディオ』を昨晩聴かせていただきましたが、本当に本当に素晴らしいアルバムですね。あなたはニュー・アルバムの出来をどう感じていますか?

ビリー:ありがとう! 俺達は新作の出来にすごく興奮してるんだ。この新作を作る前に、少し休暇を取ったんだ。休暇を終えて集まった時には、新鮮な気分になってた。そして作曲に取りかかって最初に書いた数曲に、俺達はすごくいい手応えを感じたんだ。それをもとに、アルバムを築いていったんだよ。最高のグリーン・デイ・アルバムが出来たと思う。

──前作の3枚、『ウノ』、『ドス』、『トレ』はどれも非常に楽しいアルバムとして仕上がっていましたが、今作はファンがグリーン・デイに期待する全てと、それ以上のものが入っていると感じました。初期のグリーン・デイを彷彿とさせるリフやメロディがありつつ、同時に最新のサウンドになっています。今回、どんなサウンドを達成したいと考えていましたか?

ビリー:グリーン・デイとしてやってきた長年の経験の全てを使って、それらをアルバムに注ぎ込みたいと思っていたんだ。まず「レボリューション・レディオ」のような曲を作曲したことで、今作の制作中は『ドゥーキー』や『インソムニアック』、『ニムロッド』、90年代に僕達がやった音楽に立ち返ることができた。でも同時に、『21世紀のブレイクダウン』、『アメリカン・イディオット』の音楽もアルバムには入っていると思う。だから、そういうアルバムを作ることを考えながら、その考えにとらわれすぎないようにした。それから、なるべくシンプルなサウンドにして、でもシンプルにもしすぎないようにしたんだ。この説明で分かるか分からないけど。

──分かります。『アメリカン・イディオット』のようなアルバムだと言うつもりはないのですが、このアルバムを聴いていて、一本のミュージカルか映画を観ているような気分になりました。アルバムを通して一続きの物語を綴ることは、意識されたのですか?

ビリー:確かに『レボリューション・レディオ』は、リスナーを旅に連れて行くようなアルバムになったと思う。俺達は以前から、それぞれの曲が少しずつ関連しているアルバムを作ってきたんだよね。でも、どの曲も現実の人生についての曲だよ。私的なことも政治的な混乱も、どれも現実なんだ。それらの曲を繋ぎ合わせたんだけど、最後の曲「オーディナリー・ワールド」では、ただ何かを探しているんだ。そこで物語がとぎれるみたいにね。

──ファースト・シングル「バン・バン」は、明らかに政治的な内容を含んだ歌詞ですが、この曲について教えて下さい。

ビリー:「バン・バン」は、このアルバムのために最初に書いてデモを作って、トレとマイクに聞かせた曲なんだ。サンタバーバラで起こった銃乱射事件についての曲なんだけど、俺はこの事件の殺人犯の視点で歌おうとしたんだ。その立場で歌うっていうのは、かなり怖いことだったよ。この曲についてソーシャル・メディアを通して考えて、テロリズムのことを考えて、アメリカと世界で日々起こっていることに共通することは何だろうって考えると、炎上する可能性はあると思う。

──アルバムのタイトル・トラック「レボリューション・レディオ」についても教えて下さい。

ビリー:ブルックリンからニューヨークに車で戻ってる時に、渋滞にはまったんだ。ニューヨークの8番街で、ファーガソン事件のプロテストが起こってたからだった。ホテルに戻ったら通りの声が聞こえて、俺は彼らと一緒に歩きたいと思って、でも行っていいのか迷ったんだ。なんでそう風に感じたかは分からなかったけど、結局行くことにして、そのプロテストの一員として一緒に歩き始めたんだ。そして、周りの声を聞きながら、これを全て曲にしようという思いになった。でも同時に、この曲は俺達のファンに対してのラブ・レターでもあるんだ。俺達がずっと一緒にい続けていること、変わり者で、人権を剥奪されているように感じている俺達が一つにまとまって、自分を見失わずにいられることについての曲なんだ。

──では、「僕は革命を起こしたい」っていう歌詞は、ファンと一緒に革命を起こしたいっていう気持ちがあるわけですか?

ビリー:文字通り「革命を起こしたい」っていう意味で言ってるんじゃないんだ。文字通りに解釈する人もいると思うけど、社会のメインストリームとは離れた何かを一緒に創造しよう、っていうことなんだよ。その人を落ち込ませるような色々な状況を一緒に乗り越えようっていう意味なんだ。

──ファーガソン事件のプロテストに参加したことで、今作は前作よりも政治的な歌詞を多く書きたいと思ったのでしょうか? 前作の取材で、「政治的な歌詞を書きすぎると自分に手錠をかけているような気分になるんだよね」とおっしゃっていましたが。

ビリー:前作では、本当に時事的な内容からは離れたいと思ってたんだ。それでも「99レボリューションズ」っていう曲を書いて、あの曲の視点で歌うのは、本当に楽なことだったんだよ。それがこのアルバムの歌詞を書く時に、引き続き影響したんじゃないかな。なんていうか、これが俺なんだよね。政治的というか、世界で起こっている時事について書く時も、ラブ・ソングを書く時と同じ場所から生まれる必要があるんだ。そうでないと、ただ吐き出しているような歌詞にしかならない。俺にとっては、インスピレーションから生まれる歌詞であることが必要なんだ。そうでないと、教科書みたいな歌になる。そんな歌は歌いたくないからね。

──ソーシャル・メディアについて触れている歌詞もありますが、私はあなたのインスタグラムをフォローするのが好きです。ソーシャル・メディアの現在についてはどう思っていますか?

ビリー:過去4年間でソーシャル・メディアは激変したよ。前作3枚を出して以来、特にね。ファースト・シングルの「バン・バン」のリリースについてインスタグラムにアップして、10日後にシングルが出たら大熱狂が起こってて、すごく面白かったんだ。でもふいをつかれた感じでもあって、すごく嬉しいことだったのに、凄すぎてパニックになっちゃうような感じだった。被害妄想みたいなね。被害妄想を感じる理由なんか何もないのにさ。でも、今のソーシャル・メディアって、そういうものなんだよ。

■ 俺がプリンスに学んだことがあるとしたら、オリジナルでいること
■ あと、チビでもいいってことも(笑)

──どの曲も素晴らしいですが、「スティル・ブリージング」がこのアルバム中、一番私の胸に刺さった曲です。今、あなたが生きていてくれること、あなただけでなくグリーン・デイが結成して30年経った今でも活動を続けていてくれることに、すごく感謝の気持ちがわいてくる曲でした。この曲を書いた時、何を思っていましたか?

ビリー:この曲はサバイバルを歌った曲なんだ。人生で苦難にあった人、ドラッグ中毒だったり、離婚家庭に育ったり、兵役を終えて家に戻った人だったり、何かを乗り越えたという共通項がある人達は、その経験の後でより生きている実感を覚えるんじゃないかと思う。それに伴って沸いてくる感情があるんだよ。

──プリンスの大ファンだったのですが、彼が亡くなった後、あなたがインスタグラムでプリンスの写真と彼についてのコメントをしてくれていて嬉しかったです。今作の制作中に、彼の死について考えたりしましたか?

ビリー:プリンスについて書いた歌詞はないけど、このアルバムの「サムホェア・ナウ」っていう曲の一節に、「俺達は常に3人まとまって死ぬ」っていうアメリカでよく知られてる諺を使ってて、人が死ぬ時はいつも3人一緒に逝くっていう意味なんだ。過去1年で、沢山のアーティストが亡くなった。

──亡くなりすぎです。

ビリー:亡くなりすぎだよね。俺がプリンスに学んだことがあるとしたら、自分自身のやり方でやるってこと、思慮深くなること、創造的になること、オリジナルでいること。

──真にオリジナルでしたね。グリーン・デイも本当にオリジナルですからね。

ビリー:うん、あと、チビでもいいってことも学んだよ(笑)。

──(笑)。そうですね。

ビリー:「チビ同士団結しましょう」って。

──でも彼のようにヒールの靴は履いてないですね(笑)。

ビリー:そう、厚底靴だけだよ(笑)。

──2013年の3月にポモナで行なわれた公演を見に行って、そこであなたがマイクのことを「俺のソウルメイト」と紹介していて感動したのですが、グリーン・デイが家族のように仲がいいバンドなのは素晴らしいことだと思います。30年を経て、あなたにとってグリーン・デイはどのような存在ですか?

ビリー:こんなに長く一緒にいられるのは、俺達が友達として素晴らしい絆を持ってるからなんだよね。言い争ったこととかないし、バンド内での喧嘩って多いけど、俺にはそれが理解できないんだよ。でも、一番近くにいる人に対して、優しさと尊敬の気持ちを持てるかどうかなんだと思う。特に一緒にクリエイティブになるわけだからね。彼らは俺にとって、間違いなくもう一つの家族だよ。素晴らしいことだし、それが僕達が長続きしている理由だと思う。

──来日公演はこれまでに沢山行なって下さっていますが、中でも思い出に残っていることを教えて下さい。

ビリー:初来日した時、俺達はどこに行ってもボウリング場に行きたがったんだ。日本のボウリングのレーンは、アメリカのよりずっと良かったんだよ。だから、公演を行なった全ての都市で、ボウリングをやりに行ったんだ。大阪でも、東京でもね。それで日本のライヴ・アルバムを『Bowling Bowling Bowling Parking Parking』っていうタイトルにしたんだよ。そういう大きな看板が立ってたんだ。すごくクールな日本のライヴ・アルバムだよ。それが日本の最初の思い出だよ。

──知りませんでした!

ビリー:あとは、ショウで観客がすごく熱狂的だったのを覚えてる。日本の人達は本当にクールだった。本当にすごく音楽に夢中になってくれてて、素晴らしかったよ。

──でも日本人は根が恥ずかしがりな人が多いのですが、あなたもステージにいない時はシャイに見える時があるんですが、そういうところで共感したことってありましたか?

ビリー:いや、それは分からないな(笑)。知ってるのは、日本の人達は一緒に歌うのが大好きだってことだよ。合唱って、一つになれるんだよね。グリーン・デイの音楽って、一緒に歌うのが楽なんだと思う。(一緒に歌うと)全員が、同じ声、同じ動きの一部になれる。だから日本に行く度に、観客の前でプレイするのが楽しみなんだ。

──ツアーの計画をもう始めているのかどうか知りませんが、このアルバム発表後、また日本に来てショウをやってくれますか?

ビリー:うん、まだいつになるかは分からないけど、日本に行くよ。ワールドツアーのプランを立てているところなんだ。絶対に日本にも行くよ。

──次回来日したら、何かしたいことはありますか?

ビリー:(笑)ボウリングはいいや!

──ボウリングの他に(笑)。

ビリー:まだ分からないけど、昔みたいにただ街を歩き回ったりしたいな。日本に行ってから考えるよ。

──ご家族を今でもツアーに連れて行ったりはするんですか?

ビリー:息子達はもうかなり大きくなっちゃったから。

──おいくつなんですか?

ビリー:18歳、21歳。妻はたまにツアーに来て、一緒に楽しむこともあるよ。

──息子さんたちもミュージシャンですか?

ビリー:そうだよ。

──素敵ですね。彼らにはこのニュー・アルバムを聞かせたんですか?

ビリー:(笑)俺は家にいる時は、ただの父親なんだよ。自分の家のプライバシーの中で生活するには、それが最善の方法だと思うんだ。

──ニュー・アルバムのあなたのヴォーカルについてですが、あなたの歌声はずっとティーンの頃から年を取っていないような若い声ですけれど、このアルバムのいくつかの曲の中で、いつもと違う、より美しい声が聞けて驚きました。今回、歌い方を変えることを意識したんでしょうか?

ビリー:長年歌っている間に、違うやり方で声を使う方法を自分で学んだんだと思う。例えば「トゥー・ダム・トゥ・ダイ」のイントロ部分とか、「オーディナリー・ワールド」とかね。昔の曲だと、「ラスト・ナイト・オン・アース」とか。俺はいつも怖じ気づかずに、全ての歌詞を叫ぶような歌い方ではないやり方もやろうと試みてるんだ。

──本当に素晴らしいアルバムを作って下さってありがとうございます。最後に日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

ビリー:グリーン・デイの音楽を長年聞いてくれて、ありがとう。バンドを始めて、オリジナルの曲を書いてくれ! ロックンロールを前に進めるのは、大事なことだからね。

  ◆  ◆  ◆


インタビュアー:Miho Suzuki
アーティスト写真:Frank Maddocks

  ◆  ◆  ◆

アルバム『Revolution Radio / レボリューション・レディオ』
2016年10月7日 世界同時発売
WPCR-17515 ¥2,300(+税)
【収録曲】
01. Somewhere Now / サムウェア・ナウ
02. Bang Bang / バン・バン
03. Revolution Radio / レボリューション・レディオ
04. Say Goodbye / セイ・グッバイ
05. Outlaws / アウトローズ
06. Bouncing Off The Wall / バウンシング・オフ・ザ・ウォール
07. Still Breathing / スティル・ブリージング
08. Youngblood / ヤングブラッド
09. Too Dumb To Die / トゥー・ダム・トゥ・ダイ
10. Troubled Times / トラブルド・タイムス
11. Forever Now / フォーエヴァー・ナウ
12. Ordinary World / オーディナリー・ワールド
13. Letterbomb (Live) / レターボム(ライヴ) ※日本盤ボーナストラック

最終更新:10/7(金) 18:13

BARKS