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なぜ安倍政権はTPP批准急ぐのか? 専門家「巨大企業と富裕層のため」「日本の国民皆保険制度危ない」 (新聞うずみ火/矢野宏)

アジアプレス・ネットワーク 10/7(金) 5:10配信

安倍政権が秋の臨時国会でTPP(環太平洋経済連携協定)の承認案成立を最優先に位置づけたのを受け、国会批准阻止に向けた緊急行動発足集会が9月9日、大阪市西区の関西生コン学働館で開かれた。同志社大の田淵太一教授がTPP協定の問題点を指摘し、「TPP阻止国民会議」の山田雅彦・元農水相が最終合意文書の中身について説明した。10月15日には東京でも反対集会が行われる。(新聞うずみ火/矢野宏)

◆米国民と共闘を

同志社大の田淵太一教授はTPPについて、「自由貿易協定と規定していながらも、実質は『投資協定』だ」と切り出し、「米国・ウォール街の1パーセントの 富める巨大企業や富裕層が投資しやすくするための協定だ」と指摘した。

危険なのが「ISDS(投資家対国家紛争処理)条項だ」と述べた。「投資家である巨大企業が外国で不利益が生じた場合、その国の政府や自治体を世界銀行の傘下にある『国際投資紛争解決センター』に提訴できる。巨大企業に国家と同等の地位を与え、国家主権を無視して超国家的に裁判を行う仕組みだ。3人の法律家のうち、訴える側、訴えられた側が1人ずつ、センターは米国にあるので米国人の法律家が起用され、2対1で米国企業寄りの判決になる」

さらに、田淵さんは、「日本の国益を守れ、米国に押しつぶされるな、という反対では効果はない。一番の反対勢力は米国にいる」という。米国は1994年、カナダとメキシコとの間でNAFTA(北米自由貿易協定)を結んだ。「莫大な雇用を生み、安価な農産物が輸入される」とうたわれたが、米国で200万人の雇用が失われ、賃金水準や労働環境も悪化した。
2010年の世論調査で、「米国と他国のFTA(自由協定)では米国の雇用を犠牲にしている」と考えている米国人は69パーセントにのぼったという。

日本の政府・与党は9月26日に召集された臨時国会でTPP承認案と関連法案の承認・成立を最優先課題に据えている。なぜ、 急ぐのか。

田淵さんは、「11月8日の米大統領選より前の衆議院通過を目指し、米国内での早期承認を促すための援護射撃をするというわけです」と語り、「どちらが大統領になっても日本に再交渉を求めてくる。それを封じるために先に承認するのだと言っていますが、再交渉しろといわれれば応じざるを得ないでしょう。先に承認してしまったら日本の再交渉の余地がなくなるだけ」と説明した。

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最終更新:10/7(金) 5:10

アジアプレス・ネットワーク

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。