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富士通がレノボとPC事業統合、合弁設立後に傘下入り 田中社長「甘えの構造を排す」

日刊工業新聞電子版 10/7(金) 12:37配信

パソコン事業の連結外しは本丸

 富士通は2月に分社したパソコン事業の新たな展開として、中国レノボ・グループと合弁会社を設立し、事業統合する方向で最終調整に入った。合弁会社への出資比率はレノボ側が過半数を握る見通し。富士通のパソコン事業はレノボの傘下に入るが、長年培ってきた自社ブランドと、工場などで働く従業員の雇用は維持する意向。月内の合意を目指す。(編集委員・斉藤実、梶原洵子)

 利幅の薄いパソコン事業を連結から切り離し、全社の経営資源を“強み”のシステム・サービス事業に集中する。富士通側ではすでに議論し尽くされ、残るは実行あるのみだった。同社は2015年6月に田中達也社長が就任し、改革路線を加速。この間、水面下で進んでいた東芝やVAIOとの合弁構想が白紙撤回となるなど迷走もあったが、「甘えの構造を排す」(田中社長)との強い覚悟で臨み、ようやく着地点が見えてきた。

 パソコン事業を合弁会社に移管して自社ブランドを残す方式は、NECとレノボのパソコン合弁契約と枠組みが重なる。この当時、社長だった山本正已会長はレノボ―NEC連合の誕生に「皆、考えることは似ている。我々がやりたかったことだ」と漏らしていた。

 今回の富士通とレノボとの顔合わせは意外性もあるが、あるべき選択肢の一つではあった。レノボ側もブランドが何であっても、製造したパソコンの販売台数が増えれば御の字。国内市場でNECや富士通が持つブランド力は絶大で、レノボ側の思惑と合致する。田中社長が経営方針説明会などで何度も繰り返してきた「ビジネスの質と形を変える」との思いが、ようやく実を結び始めた格好だ。

 9月には富士通テンへの出資比率を引き下げ、デンソーが子会社化することで合意。11月には東西の地域系システム構築(SI)子会社など主力3社を11月1日付で合併吸収し、主力のシステム・サービスの強化に乗り出す。今回のパソコン事業の連結外しは本丸であり、今後は全社レベルで攻めの体制づくりが急がれる。

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最終更新:10/7(金) 12:37

日刊工業新聞電子版

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