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車載イメージング市場、自動運転での勝者は?

ニュースイッチ 10/7(金) 7:53配信

ソニーはトップの地位を死守できるか

 自動運転技術に欠かせないイメージング分野で半導体、ディスプレーメーカーの期待が高まっている。特に大きく関わるのがイメージセンサーと画像処理アルゴリズム。2018年から米国で全ての新車に後方確認カメラの搭載が義務化されることもあり、この動きは日本や欧州など世界的に広がる。各社は30年頃に実現を見込むレベル4の完全自動運転に向け、どう自社の技術を載せるか試行錯誤している。

 イメージセンサー市場ではソニーが他を圧倒している。16年にサンプル出荷を始めた車載用センサーはダイナミックレンジが強みで、赤外線カメラの性能も兼ねている。周辺環境の認識にはイメージセンサー、赤外線カメラ、レーダー、光検出と測距を行うLIDAR(ライダー)、超音波センサーが使われるが、全てを搭載すると高コストかつ高負荷になる。いくつかを組み合わせているのが現状だ。

 一方、ソニーとしては画像センサーの発展で、ある程度までカバーしようというのが戦略だ。車メーカーからの期待も高く、うまくすれば独壇場になり得る。

 ボトルネックは画像処理だろう。今後、他社との連携が進む可能性もある。画像処理アルゴリズムで実用化が最も進んでいるのは、イスラエルのモービルアイ。他にスウェーデンのオートリブ、仏ヴァレオなどがあり、独ボッシュや独コンチネンタル、デンソーも同分野を強化している。

 では車載ディスプレーはどうか。自動運転によりイメージングの要素は増えるが、市場成長に直結するかというと多少の疑問が残る。映像全てを表示する必要があるのか不透明だからだ。ディスプレーメーカー自身が未来の車載ディスプレーの位置付けをとらえ切れていないような印象もある。

 その中で映像の高速伝送は一つのヒントになるかもしれない。現在のテレビの映像伝送速度は毎秒30フレーム程度だが、自動運転では同120フレーム以上が必要になりそうだ。ディスプレーを含めた時に高速撮像や画像処理の問題などを解決し、システムとして成立するかがポイントになるだろう。

 また自動運転が実現し居住空間として車が発展すれば、快適性能を高めるインフォテインメントとして、車側から新しいディスプレーのニーズが出てくるかもしれない。市場や技術の展望は、まだ読み切れない部分がある。イメージング分野は今まさに、百花繚乱(りょうらん)の時代と言える。

<記者の目>
 ソニーの車載向け画像センサーは、自動車メーカーからの評価がずいぶんと高いようだ。自動車部品メーカーも含めてシステムとしての提案が活発になっており、現在はセンサー単品で展開するソニーも体制を整える必要があるだろう。以前はゲームで培った技術を中心に高い画像処理技術を持つ人材がいたが、構造改革の影響ですでに社内には残っていないとの指摘もある。ソニーの次の一手が注目される。
(日刊工業新聞社・政年佐貴惠)

李根秀(IHSテクノロジー主席アナリスト)

最終更新:10/7(金) 7:53

ニュースイッチ