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ノーベル賞と文化勲章の微妙な関係 内閣府賞勲局の事情とは?

日刊工業新聞電子版 10/7(金) 16:38配信

“若すぎる年金”

 今年のノーベル賞の自然科学3賞では、複数部門に日本人が名を連ねる「ダブル受賞」を昨年に続いて獲得するには至らなかった。ただ生理学医学賞を大隅良典東京工業大学栄誉教授が単独受賞するという快挙を成し遂げた。

 この季節、日本人受賞の動向に気をもんでいるのが内閣府賞勲局だ。世界最高の栄冠であるノーベル賞は、文化勲章の受章者から選んでもらいたいと当局は願う。未受章の場合、12月のノーベル賞授賞式に先だって11月3日に文化勲章を授与する。

 昨年は大村智北里大学特別栄誉教授と梶田隆章東京大学宇宙線研究所長が、ふたりともこれに該当した。今年の場合、大隅栄誉教授は2015年に受章しているので、関係者はほっとしているだろう。

 文化勲章には年齢基準はない。ただ毎年の授与例を見る限り70歳以上が普通だ。ノーベル賞も高齢の学者が中心とはいえ、昨年の梶田所長や14年の天野浩名古屋大学教授のように50代も珍しくない。

 日本に長老崇拝的な要素が色濃いのだろうか。ただ文化勲章には、文化功労者としての終身年金がついてくる。一般の国民の年金支給開始が65歳に繰り下げられた中での“若すぎる年金”には、悩ましい部分があるのかもしれない。

最終更新:10/7(金) 16:38

日刊工業新聞電子版