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スカイツリー「最大の難敵」天候もビジネスチャンスする戦略

ニュースイッチ 10/7(金) 14:50配信

雨天はVR、窓の清掃もイベントに

 東武タワースカイツリー(東京都墨田区、酒見重範社長)が運営する高さ634メートルの東京スカイツリー。自立式電波塔では世界一の高さを誇り、2012年5月の開業以来、来場者数は2300万人を超える。多様なサービス、マーケティング展開をますます強めている。

 スカイツリーの最大の課題は、来場者に提供するサービスが天候に左右されやすいことだ。開業当初、強風によって展望台へ昇るエレベーター「天望シャトル」のロープが共振し、利用が制限された。現在はエレベーター4基中2基の強風対策工事を終え、10月中にはもう1基の工事を終える予定だ。3基稼働によって、安定した輸送力を確保し展望台営業の継続を見込む。

 雨天対応としては、仮想現実(VR)技術を活用し、好天時の眺望を体験できる視界不良時限定サービス「東京スカイツリーVR」を7月から始めた。高さ350メートルにある展望台「天望デッキ」に設置された専用ヘッドマウントディスプレー4台で、360度全方向を見渡しながら3次元(3D)映像を楽しめる。

 高さ450メートルの展望台「天望回廊」の窓の清掃にも着目した。窓清掃は(1)上空で7―8メートル以下の風速(2)雨・雪が降っていない(3)落雷の危険性がない―という条件下、月に6―7日程度行う。15年5月から「東京アオゾラそうじ」と名付けたイベントとして位置づけ、スカイツリーの清掃という希少性をアピールする。

 インバウンド対応としては7月から、訪日外国人専用の新入場券「Fast Skytree Combo ticket」を発売。当日券購入の行列に並ぶことなく二つの展望台に入場できるセット券提供で、利便性を向上させた。

 総来場者数(15年度)の15・4%が訪日外国人。このうち約60%近くをアジアからが占め、中国人が16%でトップだ。酒見社長は「今後、欧州やオセアニア地域で知名度を上げ、アジア以外からの観光客を増やしたい」と話す。

 酒見社長は「スカイツリーの“媒体”としての利用価値を高めていきたい」とも語る。国際連合創設70周年を記念した「世界の名所を国連ブルーに」キャンペーンに賛同し、15年10月に青色のライティングを実施した。9月1日の「防災の日」には防災意識を高めるため、白色ライティングを行った。乳がんの啓発活動「ピンクリボンキャンペーン」にも協賛しピンク色ライティングを実施するなど、社会貢献としての発信も行う。

 また、ウルトラマンシリーズ放送開始50年を記念して、天望回廊をウルトラ6兄弟の空間として演出したイベントを6―7月に実施。

 11月末までは天望デッキ内カフェで、月刊誌の連載コミックと連携して地上350メートルの景色を眺めながら朝食を楽しむイベント「いつかスカイツリーで朝食を at SKYTREE CAFE」を行っている。今後も「さまざまなコンテンツとのコラボレーションイベントを常時行っていきたい」と酒見社長は各種イベント展開に意欲的だ。

日刊工業新聞東京支社・茂木朝日

最終更新:10/7(金) 14:50

ニュースイッチ

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