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原発誘致問う住民投票、「職権乱用」問われた三陟市長が無罪に

ハンギョレ新聞 10/7(金) 17:04配信

春川(チュンチョン)地裁江陵(カンヌン)支所、自治体首長の住民投票は職権乱用に該当せず

 江原道三陟(サムチョク)市のキム・ヤンホ市長(写真)が、原発誘致の是非を住民に投票を通じて問う行為は正当だったという裁判所の判断が下った。原発誘致など主要懸案をめぐって住民投票を実施したり、住民投票を計画している自治体に少なからぬ影響を与えるものとみられる。

 春川(チュンチョン)地裁江陵(カンヌン)支所刑事1単独のイ・ヨングァン判事は6日、三陟原発誘致の賛否投票の過程で、所属公務員と里長、統長(里、統は行政区域)に個人情報同意書を受け投票人名簿を作成し、職権乱用権利行使妨害罪で起訴されたキム・ヤンホ三陟市長に無罪を言い渡した。

 イ判事は判決文で「住民投票は地方自治団体の長が地域住民を相手に意見を収れんする方法の一つであり、住民投票法が定めた住民投票でないからといって違法と見ることはできない。三陟市長が管轄選管委から住民投票法による住民投票の事務管理を拒否され、民間団体主管の住民投票を計画し公務員が行政支援をすることにした行為は正当な権限を逸脱した職権乱用には該当しない」と明らかにした。また、「三陟原発の建設が確定していない状態で誘致申請の撤回の可否を決定し、撤回の意思表示に説得力を加えるために住民投票を実施するのは、地方自治体の業務に属する」と付け加えた。これは2014年9月、三陟市選挙管理委員会が「原発の誘致申請の撤回は国家業務であり住民投票の対象ではない」という政府の有権解釈によって、住民投票業務委託を拒否することにした決定とは異なる判断だ。春川地裁江陵支所側は「地方自治団体の長が住民投票法によらない住民投票に行政支援をしても、職権乱用には該当しないという判断基準を示した点に意味がある」と明らかにした。

 今回の判決は、原発誘致など地域の重要な事案を住民投票を通して決定しようとする動きにかなりの影響を与えるものとみられる。三陟とともに新たに原発予定地に選定された慶尚北道盈徳(ヨンドク)も、昨年11月に原発誘致への賛否を問う住民投票を実施しており、いくつかの自治体も住民投票カードを検討している。

 三陟市は2014年10月9日、原発建設と関連して韓国国内で初めて住民投票を実施した。しかし、政府と選管委、検察が住民投票の動きに歯止めをかけた。同年8月、産業通商資源部は「原発誘致は国の業務」であるとし、安全行政部は「国家業務は住民投票の対象ではない」という有権解釈の結果を三陟市選管委に送っており、選管委は住民投票の事務管理を拒否した。

 しかし、市民団体などが「三陟原発誘致賛否を問う住民投票管理委員会」を立ち上げ、同年10月9日に住民投票を行うと、検察は今年1月、キム市長を職権乱用権利行使妨害罪で起訴し、7月に懲役1年の刑を求刑した。

 検察の無理な起訴も俎上に載せられた。検察はキム市長が選挙期間に虚偽の事実を公表したとして起訴したが、昨年8月、最高裁判所で無罪が確定されており、今回も無罪が言い渡された。

 三陟原発反対闘争委員会のイ・グァンウ企画室長は「政府が原発誘致に反対する三陟市民に対する意見を尊重するどころか、検察を盾に示し合わせたような捜査で市長を含め三陟市民を抑圧している。検察は無理な捜査を中断し、今回の判決を受け入れ、控訴を放棄せよ」と主張した。

パク・スヒョク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:10/7(金) 17:04

ハンギョレ新聞