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[特派員コラム] 12・28合意と決別しよう

ハンギョレ新聞 10/7(金) 9:27配信

 今月3日、日本の衆議院予算委員会。香川県出身の小川淳也議員(民進党)が質問台に立ったのは、午前11時を少し過ぎた時刻だった。ぼんやりとNHK中継を見ていた私は、反射的にレコーダーを取り出した。「慰安婦問題に関する日韓合意以降、韓国政府が安倍首相からのお詫びの手紙を求めているようだが、この件についてどう考えるか」

 安倍晋三日本首相の答えは短い3つの文で成り立っていた。

 第一文、「合意した内容を両国が誠実に実行していくことが求められている」。これは、日本政府が数百回も繰り返してきた公式立場であり、驚くべき内容ではない。

 第2文、「小川議員が指摘したのは、(合意)内容の外である」。この発言で、安倍首相が韓国が「期待する」と明らかにした「お詫びの手紙」などの追加措置に応じる意思がないことが明らかとなった。当初からあまり期待しなかっただけに、失望することもなかった。

 問題は、最後の文だった。「私たちは○○考えていない」。3年間日本で様々な経験を積んできたと思っていたが、この文章の副詞が何を意味するのか、見当もつかなかった。録音内容を繰り返して聞いても分からず、在日同胞の知人と日本の記者に録音したファイルを送信して鑑定を求めた。

 彼らの返信に書かれていた副詞は「毛頭」という言葉だった。国会答弁という公の場で、そのような挑発的な表現が使われるとは夢にも思わなかった。慰安婦被害ハルモニ(おばあさん)たちに伝える「お詫びの手紙」を要求する韓国の要請に対し、それを受け入れる考えが「微塵もない」と答えたようなものだからだ。堪えきれない怒りとこの上ない無力感に襲われた。「河野談話」(1993)の主人公である河野洋平元官房長官が4日、日本の放送で指摘したように、安倍首相の「人間性の問題かな」と思う。

 昨年の12・28合意以降、韓日の市民社会ではこの合意をどのように受け止めるかを巡り二つの立場が対立してきた。一つは、合意を無効にし、原点に戻って再交渉を行わなければならないという「白紙撤回論」であり、もう一つは、首相のお詫びの手紙など補完的な手段を通じて合意の足りない部分を埋めようという「補完論」であった。白紙撤回論は韓国をめぐる厳しい外交の現実からして、選択肢になり得ないし、補完論は安倍首相の今回の「毛頭」発言で破綻を迎えたことが明らかになった。

 これからどうすべきか。第3の道を提案してみる。名付けて「合意固辞論」である。

 韓国政府は、日本側に傾いた12・28合意という不利な戦場から組織的に退却すべきだ。この合意を何とか正当化しようとする痛ましい努力はやめてほしい。

 まず、「和解・癒やし財団」は日本政府から受け取った10億円の執行を停止し、状況を静観しなければならない。さらに、日本政府の関心事である少女像の問題について、もう少し原則的な立場を明らかにする必要がある。韓国は過去の合意で「少女像について関連団体との協議などを通じて、適切に解決されるよう努力する」としただけで、移転そのものを約束したことはない。安倍首相の言葉をそのまま返すと、少女像の移転は「(合意)内容の外」である。

 政府は合意で「国際社会において、この問題について互いに批判・非難することは控える」と約束した。この約束は、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)などの民間団体が女性の普遍的な人権懸案である慰安婦問題を解決しようとする国際的な努力まで拘束するものではない。政府は、民間団体の活動を今よりも積極的に支援する必要がある。慰安婦問題という歴史的な痛みを経験した韓国社会が、最終的に到達すべき目標が12・28合意でないなら、徐々に、しかし明確な方向性を持って、合意と決別していかなければならない。

キル・ユンヒョン東京特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:10/7(金) 9:27

ハンギョレ新聞

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