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【コラム】本田がハリルジャパンの現状にメス!速攻と遅攻の使い分けは「ピッチ内でプラスアルファの判断を」

SOCCER KING 10/7(金) 11:00配信

 山口蛍(セレッソ大阪)のアディショナルタイム弾によって劇的な勝利を飾った2018 FIFAワールドカップ ロシア アジア最終予選第3戦のイラク戦。試合2日前に帰国し、81分までプレーした本田圭佑(ミラン)は「課題は多いです。ホントに」と負けた試合のように振り返った。

 埼玉スタジアムで行われた一戦は、本田のパスを受けた清武弘嗣(セビージャ)のクロスに原口元気(ヘルタ・ベルリン)がヒールで合わせ、日本が26分に先制。だが、主導権を完全に掌握することなく時間が進み、60分にFKを頭で合わせられて同点にされた。1-1のまま試合終盤を迎えると、日本はDF吉田麻也を前線に上げてパワープレーを敢行・後半アディショナルタイムにFKのこぼれ球を山口が蹴り込み、辛うじて勝ち点3をつかみ取った。

「課題は多かったと思います。でも、蛍がそれを笑って反省できるシチュエーションにしてくれた」

 終わったばかりの激戦について本田はそう振り返ったが、もちろんその表情に笑みはなかった。

 なぜホームで先制したのに追いつかれ、バタバタした展開になってしまうのか――。

 本田は「もっと相手が焦れるくらいにやりたいんですけどね、ホントは。でも、それができなくなっているのは、自分たちのせいでもある」と分析した。

 ハリルジャパンは相手の守備が整う前に素早く縦を突き、相手にとってより脅威となる攻撃を心掛けている。だがそれは、攻撃が慌ただしくなってミスが増え、マイボールを簡単に手放すことにもなりかねない。

「監督の言っていることは理解できる。でも、監督の言っていることだけでサッカーは絶対に……それ以外のシチュエーションが起こるので、選手各々がピッチで感じてやらないといけない。ベースを作るのは監督だけど、そのベースに乗りながらプラスアルファとして選手がピッチ上で自分の得意とするプレーをその場その場で加えていくことを意識しないと」

 イラクとは4年前にブラジル大会のアジア最終予選でも対戦している。当時はホーム、アウェイ(中立地のカタール開催)いずれも日本が1-0で勝利しているが、当時と明らかに変わっているのは、イラクの日本に対する戦い方だ。

 4年前、特に日本のホームではイラクは日本を必要以上にリスペクトして、自陣に閉じこもって守備を固め、スコアレスドローを狙うような戦い方を採ってきた。ところが今回は守りを固める素振りを一切見せず、真っ向勝負を挑んできた。ある意味“ナメられた”状態を、本田は苦々しく感じていた。

「本来はイラクが僕らを必要以上にリスペクトしないのは腹立たしいことで、本当は相手がウザいって思うくらいにこっちが(ボールを)回さないといけない。相手を徹底的にバカにするようなプレーは、僕やヤットさん(遠藤保仁)の真骨頂で、得意とするところ。でも、それは今、求められていないんで」

 ただし、決して悪いことではないと、本田は報道陣に対して釘を刺した。

「怖い攻撃をもっと増やしていこうってことが今の代表のテーマなので、それはそれで僕は前向きにチャレンジしているし、今までの自分になかったものに挑戦できていることにはやりがいも感じているので、否定的ではないです」

 要はバランスの問題だ。速攻を狙う時は狙い、ボールを落ち着かせる時は落ち着かせる臨機応変さが必要なのだ。

 こうしたスタイルの使い分けについて本田は「監督と話す機会が僕だけじゃなく、みんなも増えてきているし、ある程度、歩み寄っていくことが大事だと思います」と語り、さらにこう続けた。

「ミーティングでそんなことを話さなくても、単純にピッチの上で判断してもいい」

 ザックジャパンはポゼッションにこだわりすぎたが、ハリルジャパンは現時点で速攻にとらわれ過ぎている。本田の言うとおり、この最終予選ではしっかりと勝ち点を積み重ねながら、理想の攻撃バランスを模索していくことも求められる。ピッチ内における選手個々の判断が向上し、それが共通認識となった時、日本代表は確実にレベルアップを遂げているはず。本田は自らの目に見えているものを具現化するべく、代表チームにアプローチを続ける。

文=飯尾篤史

SOCCER KING

最終更新:10/7(金) 11:02

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