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津波の教訓世界発信 磐城高生が高知のサミットへ

福島民報 10/8(土) 11:27配信

 福島県いわき市の磐城高天文地質部は11月25、26の両日、高知県黒潮町で開かれる初の「世界津波の日」高校生サミットに県内から唯一参加する。国内を含め30カ国から約360人が集う予定で、独自に研究を進めてきた津波ハザードマップの作成法や東日本大震災の被災地の思いを英語で紹介する。

■対策を学び県内で共有

 「グラフや写真、図を使って発表内容を分かりやすくしよう」「減災につながるポイントをまとめる必要がある」。7日の放課後、磐城高天文地質部の部室にはサミットに向け熱心に意見を交わす部長の菱沼美咲さん(16)、斎藤遥香さん(17)=いずれも2年=、顧問の菅家奈未教諭(36)の姿があった。
 菅家教諭は天文地質部が取り組んできた津波研究の成果を世界中の高校生に知ってほしいと参加を決めた。
 十数人の部員から選ばれた菱沼さんと斎藤さんが発表するテーマは「ハザードマップによる減災効果」だ。震災後、歴代の部員は市内四倉町の津波被災地を調査してきた。地域を歩いて被害状況を把握し、津波がさかのぼりやすい道路などを地図に落とし込んだ。今回、披露するのは先輩たちから受け継いだ研究の集大成。ハザードマップを披露し、その意義、作成方法、マップを基にした避難訓練の必要性などを紹介する。
 発表後には海外の高校生と防災や減災について議論する。英語をしっかり話せるか、相手の意見を理解できるか。正直、2人には不安もあるが「人命を守るため、被災地で得た教訓を発信したい。海外からも津波対策について学び、県内に広めたい」と張り切っている。菱沼さんは市内内郷御厩町出身、斎藤さんは市内植田町出身で震災発生時は小学5年生だった。2人はいずれも市内の津波被災地を訪れ、被害の大きさに言葉を失った経験があるという。
 菅家教諭は「世界各国の同年代の若者と真剣に話し合える貴重な機会。福島で起きた事実を伝え、サミットで学んできた成果を地元に還元してもらいたい」と期待している。
 サミットは高知県、高知県教委などの主催。国の南海トラフ地震による被害想定で、34メートルという国内最大級の津波が襲うとされている同県黒潮町で開かれる。

福島民報社

最終更新:10/8(土) 11:30

福島民報