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ニトリ「30期連続の増収増益」視野に 強さの源泉は?

ZUU online 10/8(土) 22:20配信

米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペースが想定より鈍化したことなどから、外国為替市場では1ドル=100円台前半の円高傾向が続いている。

家具、インテリア業界にとって円安は、原材料価格の高騰につながり、ビジネス環境に厳しさが増す。円高のチャンスが到来した中、日本最大の家具チェーンを展開するニトリホールディングス <9843> は、2016年2月期決算で29期連続の増収増益を達成。その強さの秘訣はどこにあるのか。

■ 30期連続の増収増益へ好調維持

ニトリの16年2月期決算では、売上高が前年同期比で9.8%増の4581億4000万円、経常利益が同10.4%増の750億700万円、純利益が同13.3%増の469億6900万円となった。

店舗数の拡大とともに、売上高は10年で約3倍に躍進した。さらに17年2月期では、売上高5000億円、経常利益800億円、純利益514億を見込み、30期連続の増収増益を視野に入れる。

その試金石ともなる、17年第2四半期決算では、売上高が前年同期比14.7%増の2547億6300万円、経常利益が同32.0%増の498億4500万円、純利益が同43.3%増の328億2800万円となり、目標達成に向けて着実に歩みを進める力強さをみせた。

家具需要を喚起する上でも参照となる新設の住宅着工戸数。国土交通省によると、8月の新設住宅着工戸数は前年比2.5%増の8万2242戸となり、家具業界には追い風が吹く。

ニトリの快進撃とは裏腹に、家具・インテリアショールームを展開する大塚家具 <8186> の業績はさえない。2016年12月期第2四半期決算では、売上高が前年同期比20.1%減の240億9300万円、純利益は前年の3億5900万円の黒字から24億9700万円の赤字に転落した。創業家の経営を巡るお家騒動に揺れた上、消費マインドが停滞したことが影響した。富裕層を主なターゲットとして高級家具の販売を手掛ける大塚家具が苦戦する中、ニトリが好調を維持している戦略の違いを見ていこう。

■ 都心への出店で客層拡大

ニトリは、直近の4年間の決算では、客数が前年度割れと伸び悩んでいたが、2016年2月期では、前年度比2.0%増と客足の増加に成功した。これまでの出店戦略は、郊外大型店が中心だったが、ここにきて都市部への進出に挑み、プランタン銀座店や心斎橋アメリカ村店(大阪)などを続々とオープンさせた。

さらに高付加価値商品の開発にも乗り出し、客数とともに、新たな客層の獲得に成功。また、自社開発商品を展開する「NITORI STUDIO」では、自社工場での製造で低価格を維持しながらも、ソファやベッドフレーム、キッチンボードなどで、色やサイズ、デザインをカスタマイズできるセミオーダー商品が支持を集め、売上アップに貢献。

その他にも自社で開発した商品のヒットにも恵まれた。調理した後、そのままテーブルに置いてカフェのような食卓を演出できる「スキレット鍋」(498円税込み)は、そのお洒落なデザインに加え、保温性が高く冷めにくい機能性も持ち合わせ、50万個を販売するヒット商品となった。また、帝人 <3401> と共同開発した超軽量高密度生地を使用し、従来の保温性を維持しながらも約40%の軽量化を実現した「かるふわ羽毛掛布団」は、グッドデザイン賞に輝くなど話題をさらった。

好調な業績に連動して、株価も右肩上がりで上昇。6月の英国のEU離脱を決定した国民投票以降、世界経済の減速懸念などから、夏場は下落基調をたどった株価だが、足元では再び上昇トレンドに転じている。2016年2月期には1株当たりの配当金が65円の実績を残したが、17年2月期には5円アップし、70円まで引き上げ13期連続の増配を見込み、株価の下支えとなりそうだ。

■ 新たな活路は海外展開

都心部への出店で新たな客層の取り込みに成功し、カスタマイズ商品の展開で、顧客それぞれのニーズにマッチした商品販売を実現し、さらに、オリジナルのヒット商品で売上げを伸ばしたことで29期連続の増収増益の達成につながった。

右肩上がりの成長を続けるニトリだが、国内市場は人口減少とともに、競合他社とのし烈な顧客の争奪で、先行きは厳しさを増す。新たな活路となりそうなのが海外展開。2016年2月期では420店舗のうち海外拠点は37店舗にとどまる。2014年に1号店をオープンさせた中国では、2022年までに100店舗まで拡大する構想を描く。

さらに、2017年度にはベトナムに商品の製造拠点となる新会社を設立する予定。アベノミクスによる景気刺激の勢いに陰りが見え、消費者マインドが冷え込みつつあるなか、成長が続くアジアの需要を取り込みながら、グローバル企業への仲間入りを果たし、堅調な業績アップを継続できるか。札幌で小さな家具店からスタートしたニトリの挑戦は続く。(ZUU online 編集部)

最終更新:10/8(土) 22:20

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ニトリホールディングス9843
11720円、前日比-160円 - 12/2(金) 15:00

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大塚家具8186
1265円、前日比+7円 - 12/2(金) 15:00

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帝人3401
2140円、前日比-3円 - 12/2(金) 15:00