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さよなら高崎けいば 解体前の景色切り取る 写真家の田中郁衣さん初個展

上毛新聞 10/8(土) 6:00配信

 消えゆく旧高崎競馬場をテーマにした、群馬県高崎市出身の写真家、田中郁衣(いくえ)さん(30)=東京都世田谷区=の初の個展が7日、同市の高崎シティギャラリーで始まった。今年6月に撮影した解体直前のメインスタンドなどを捉えた作品39点を展示しており、往年の競馬ファンを楽しませている。12日まで。

◎中止の最終レースちなみタイトル

 高崎競馬は2004年末に廃止され、81年の歴史に幕を下ろした。その後はメインスタンドの一部が場外馬券売り場、屋外のコース部分が運動公園などとして活用された。

 田中さんは10年6月に競馬場跡地の撮影を始め、高崎から離れても時間をみては足を運んでいた。県のコンベンション施設整備計画に伴って今年6月から、ほとんどの施設が解体されると知り、「あったはずの何かがなくなってしまう。記録に残す最後のチャンス」と本格的に撮影することを決意したという。

 4~6月には東京と高崎を何度も往復し、県の許可を得ながら観覧用の特別席や馬房跡など立ち入り禁止場所でも撮影を重ねた。

 個展のタイトルは、04年末の最終開催日に大雪で中止となったビッグレース「高崎大賞典」の距離にちなみ「2100m―旧高崎けいばの写真展―」とした。コース跡を2人の子どもが仲良く進むほほ笑ましい姿のほか、誰もいなくなったメインスタンドや売店跡の物悲しさを切り取っている。

 田中さんは「たくさんの人が一喜一憂していたこと、働いていたことを多くの人に知ってほしい」と話している。問い合わせは同ギャラリー(電話027-328-5050)へ。

最終更新:10/8(土) 6:00

上毛新聞